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2026.02.25

育児ノイローゼとは何か|甘えじゃない理由と対処法

毎日イライラしてしまったり、理由もなく涙が出たり、子育てがつらいと感じていませんか。頑張っているはずなのに心が追いつかず、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

育児ノイローゼという言葉を聞くと、自分とは関係ない、甘えているだけではないかと思ってしまう方も多いでしょう。しかし、その苦しさは決して特別なものではなく、誰にでも起こり得る心と体のサインです。一人で抱え込まず、つらさに気づけたこと自体が大切な一歩になります。

本記事では、育児ノイローゼとはどのような状態なのか、なぜ起こるのかをわかりやすく解説し、少しずつ心を軽くするための具体的な対処法や考え方を紹介します。

育児ノイローゼとは?甘えではない心のSOS

育児ノイローゼは、子育てを頑張る中で心と体に大きな負担がかかったときに現れる不調の総称です。決して特別な人だけに起こるものではなく、多くの親が経験する可能性があります。

大切なのは、これを甘えや弱さと捉えるのではなく、助けが必要だと知らせるサインとして受け止めることです。まずは、育児ノイローゼの特徴や、よく混同されがちな産後うつとの違いを知り、自分の状態を客観的に理解することから始めましょう。

育児ノイローゼの特徴

育児ノイローゼという言葉を聞くと、自分だけがつらい思いをしているのではないか、気持ちが弱いだけなのではないかと感じてしまう方も少なくありません。しかし実際には、育児ノイローゼは甘えではなく、心と体が限界に近づいていると知らせる大切なサインです。

慣れない育児や終わりのない家事、慢性的な睡眠不足が続く毎日は、想像以上に大きな負担になります。そこに母親はこうあるべきという思い込みや、完璧にやらなければならないという責任感が重なると、無理を重ねやすくなります。

その結果、イライラが抑えられなくなったり、突然涙があふれたり、何も手につかなくなったりといった心身の不調が現れやすくなる点が特徴です。

育児ノイローゼは誰にでも起こりうる一時的な心の不調です。早めに気づき、休息や周囲のサポートを取り入れれば、少しずつ回復へ向かえます。

育児ノイローゼと産後うつの違い

育児ノイローゼと産後うつは、どちらも子育て中に起こりやすい心の不調ですが、原因や特徴には違いがあります。混同されやすいため、その違いを理解すれば、より適切な対処につなげやすくなります。

産後うつは、出産後のホルモンバランスの急激な変化や、出産そのものによる心身の負担が主な要因とされる精神疾患です。出産後数週間から数か月以内に発症しやすく、気分の落ち込みや無気力、不眠、食欲不振などの症状が長く続く傾向があります。症状の程度によっては、医療機関での治療が必要になる場合も少なくありません。

一方で育児ノイローゼは、ホルモンの影響よりも、育児ストレスや睡眠不足、孤立感、夫婦関係の問題、経済的不安など、生活環境や心理的な負担が大きく関係しています。発症時期は産後すぐに限らず、育児が続く中でいつでも起こり得ます。周囲のサポートを受けたり、育児から一時的に離れる時間を持ったりすると、気持ちが和らぎやすい点も特徴です。

どちらも放置すれば症状が悪化する可能性があります。自己判断で抱え込まず、早めに誰かへ相談し、自分の状態に合った支援を受ける姿勢が回復への近道になります。

育児ノイローゼになってしまう主な原因とは

育児ノイローゼは、決して「甘え」からくるものではありません。子育てを取り巻くさまざまな要因が複雑に絡み合い、心と体に大きな負担をかけることで発症します。ここでは、育児ノイローゼになってしまう主な原因を、環境的、心理的、身体的な側面から見ていきましょう。

環境的な要因

子育ては、想像以上に体力と精神力を消耗します。とくに、生活環境やサポート体制が整っていない状態が続くと、心身の負担はさらに大きくなり、育児ノイローゼにつながりやすくなります。以下のような状況に当てはまる場合は、注意が必要です。

睡眠不足と休息の不足

赤ちゃんの夜泣きや授乳対応により、夜中に何度も起きる生活が続くと、まとまった睡眠を取ることが難しくなります。昼間も育児や家事に追われて休む時間が確保できず、疲労が慢性的に蓄積しやすくなります。

家事・育児の負担の偏り(ワンオペ育児)

パートナーが仕事で多忙だったり、実家や親族のサポートを受けられなかったりすると、家事と育児を一人で抱え込む状態になりがちです。頼れる相手がいない状況が続くと、孤立感が強まり、心身ともに追い込まれやすくなります。

社会からの孤立

出産をきっかけに外出の機会が減り、友人や知人と会う時間が取れなくなると、社会から切り離されたように感じやすくなります。とくに引っ越し直後など、身近に頼れる人がいない環境では精神的な負担が大きくなります。

経済的な不安

子どもの将来にかかる教育費や生活費への不安は、長期的なストレスになりやすい要素です。家計へのプレッシャーが続くと、気持ちに余裕を持つのが難しくなり、心の疲れを強めてしまいます。

心理的な要因

外部の環境だけでなく、母親自身の心の中にある感情や考え方も、育児ノイローゼに大きく影響します。知らず知らずのうちに自分を追い込み、心の負担を強めてしまうケースも少なくありません。主な要因は以下のとおりです。

完璧な母親でなければならないというプレッシャー

育児書やSNSで目にする理想的な母親像と自分を比べてしまい、もっと頑張らなければと自分を責めてしまうことがあります。その思い込みが続くと、心が休まる時間を失いかねません。

理想と現実のギャップ

子育てはもっと楽しいものだと思っていたのにと感じ、現実との違いに戸惑いや失望感を抱く場合もあります。その積み重ねが無力感や自己否定につながることもあるでしょう。

自分の時間がないことへの不満

趣味やリラックスする時間を持てず、常に育児中心の生活が続くと、気持ちの余裕を失いやすくなります。小さな不満が積み重なり、強いストレスへと変わっていくこともあります。

育児に対する不安感や自信のなさ

初めての子育てでは、これで合っているのか、きちんと育てられているのかと不安を感じやすいものです。些細な失敗で自分を責めてしまう気持ちが強まると、心の負担がさらに大きくなります。

身体的な要因

出産は女性の体に大きな変化をもたらし、回復にはある程度の時間が必要です。身体の不調が続くと心にも影響しやすくなり、育児ノイローゼの引き金になることがあります。たとえば、以下のような要因が挙げられます。

出産後の身体の回復が不十分

出産による体へのダメージからの回復が遅れたり、会陰切開の痛みが続いたりすると、日常生活や育児そのものが負担に感じやすくなります。慣れない育児で体を思うように動かせない状況も、ストレスを強める要因の一つです。

慢性的な疲労と睡眠不足

育児による身体的な疲れが蓄積し、十分な休息を取れない状態が続くと、心にも大きな負担がかかります。疲労が抜けないまま過ごすことで、気力や集中力が低下しやすくなります。

ホルモンバランスの変動

出産後は女性ホルモンの分泌が大きく変化します。この急激な変動により、気分が不安定になったり、感情の起伏が激しくなったりする場合があります。産褥期を過ぎても疲労感が残り、心の不調につながるケースも少なくありません。

持病や体調不良

もともと持病がある場合や、風邪などの体調不良が重なると、育児の負担をより重く感じやすくなります。体調が優れない状態では精神的な余裕を保ちにくく、心の疲れが蓄積しやすくなります。

育児ノイローゼとは?今の状態をチェックリストで確認

もしかしたら「私、育児ノイローゼかもしれない…」と感じていませんか?ここでは、あなたが今の状況を客観的に把握するための一つの目安として、チェックリストをご用意しました。

以下の項目に当てはまるものがないか、一つずつ確認してみてください。

  • 精神面での変化
    • 些細なことでイライラしたり、感情的に怒鳴ってしまうことがある。
    • 急に涙が止まらなくなったり、気分が落ち込むことが頻繁にある。
    • 子どものことが可愛いと思えなくなったり、育児に喜びを感じられない。
    • 漠然とした不安や焦燥感に襲われることがある。
    • 集中力が続かず、物事を決めるのが難しいと感じる。
    • 常に疲労感があり、何もやる気が起きない。
    • 自分を責める気持ちが強く、自己肯定感が低いと感じる。
    • 周囲のちょっとした言動に過敏に反応してしまう。
  • 身体面での変化
    • 夜、なかなか寝付けない、または朝早く目が覚めてしまう。
    • 食欲がなくなったり、逆に食べすぎてしまうことがある。
    • 頭痛や肩こり、めまいなど、体の不調が続く。
    • 胃の不快感や吐き気がある。
    • 体がだるく、常に倦怠感がある。
  • 行動面での変化
    • 以前は楽しかったことにも興味が持てなくなった。
    • 人と会うのが億劫になり、引きこもりがちになった。
    • 家事や育児がおろそかになってしまうことがある。
    • 身だしなみに気を遣うのが面倒になった。
    • 子育てに関する情報収集が苦痛に感じる。

これらの項目に多く当てはまる場合、育児ノイローゼの状態にある可能性があります。ただし、このチェックリストは自己診断の目安であり、専門家による診断の代わりにはなりません。

少しでも不安を感じた場合は、一人で抱え込まず、専門的な相談先へ連絡を検討してみてください。

育児ノイローゼの具体的な症状とは

育児ノイローゼでは、心の状態だけでなく、体や行動にもさまざまな変化が表れます。気持ちの落ち込みやイライラといった精神面の不調だけでなく、体調不良や生活リズムの乱れとして現れる場合も少なくありません。

自分では気づきにくい変化も多いため、「なぜか最近つらい」「以前の自分と違う気がする」と感じている方は、今の状態を振り返るきっかけにしてみてください。ここからは、育児ノイローゼでよく見られる症状を、心・体・行動の側面から詳しく見ていきます。

精神的な症状

育児ノイローゼの精神的な症状は、日常生活に大きな影響を与えます。些細な出来事に強くイライラしたり、理由もなく涙があふれたりする場面が増えるケースも少なくありません。常に漠然とした不安や焦りを抱え、気持ちが落ち着かない状態が続く場合もあります。

これまで楽しめていた事柄に関心が向かなくなり、無気力になったり、集中力が続かなくなったりする点も特徴です。

また、子育てが楽しく感じられない、赤ちゃんを可愛いと思えないといった気持ちを抱く場合もあります。一時的に愛情を感じにくくなる状態に陥ると、自分は母親として失格なのではないかと責めてしまいがちです。

しかし、それはあなたの人間性や愛情の問題ではなく、心が限界に近づいているサインと受け止める必要があります。

身体的な症状

心の不調は、体にもはっきりと表れます。育児ノイローゼでは慢性的な疲労感が続き、朝起きても体が重く感じられる状態になりやすくなります。夜に寝つけなかったり、途中で何度も目が覚めたり、朝早く目覚めてしまったりといった睡眠の乱れが見られる場合も少なくありません。

また、食欲が落ちて体重が減少したり、反対にストレスから過食に傾いてしまったりする場合もあります。頭痛や肩こり、めまい、吐き気、動悸、胃腸の不調(便秘や下痢など)が続くケースもあり、こうした身体症状が重なると日常生活の負担はさらに大きくなるでしょう。

これらの不調は、精神的なストレスが限界に近づいているサインとして現れる場合が多く、心と体の両面から休息やサポートが必要な状態を示しています。

行動の変化

育児ノイローゼになると、行動面にも変化が表れやすくなります。これまで楽しめていた外出が負担に感じられ、友人や家族と会う機会を避けるようになる場合もあります。身だしなみに気を配る余裕がなくなり、おしゃれやメイクへの関心が薄れていく方も少なくありません。

家事に手が回らず、部屋が散らかった状態でも気にならなくなったり、赤ちゃんの世話そのものが重く感じられたりする場面が増えることもあるでしょう。また、パートナーや家族に対して、些細な出来事で感情的に怒ってしまったり、必要以上に冷たい態度を取ってしまったりする傾向も強まります。

こうした行動の変化は、周囲から理由が分かりにくく、戸惑われやすい点が特徴です。その結果、理解されないつらさを抱え込み、孤独感がさらに深まってしまう可能性があります

今日からできる育児ノイローゼのセルフケアとは?

育児ノイローゼの辛い状況から抜け出すためには、まず自分自身を労わることが大切です。ここでは、今日からすぐに実践できるセルフケアと対処法を、具体的なアイデアと共にご紹介します。

まずは「休む」ことから始める

「休む」ことは決してサボりではありません。心と体のバランスを整え、育児を続けていくために欠かせない大切なケアです。ここでは、無理なく取り入れられる具体的な方法を紹介します。

短時間の仮眠を取る

赤ちゃんがお昼寝している間は、家事を後回しにして一緒に横になってみましょう。たとえ15分ほどでも、体と心をリセットする時間になります。

パートナーに預けて外出する

短時間でも一人で買い物に出かけたり、カフェでゆっくり過ごしたりする時間を作ってみてください。自分のための時間を持つことに、罪悪感を抱く必要はありません。

家事を手抜きする

食事はデリバリーや総菜を活用し、掃除や洗濯は無理のないペースに調整しましょう。完璧を目指さず、休む時間を優先する姿勢が心の余裕につながります。

完璧を目指さない

完璧を目指そうとする気持ちは素敵なものですが、それが続くと心に大きな負担がかかります。ここでは、思い込みを少しずつ手放す実践方法を紹介します。

優先順位をつける

今日の最優先事項は、赤ちゃんの安全とあなた自身の休息です。それ以外の家事や用事は後回しにしても問題ありません。すべてを完璧にこなそうとしない姿勢が、心の余裕につながります。

SNSとの距離を置く

他のママの育児が理想的に見えても、それは一部分を切り取った姿にすぎません。自分と比べて落ち込む必要はなく、見る時間を減らしたり、意識的に距離を取ったりするだけでも気持ちは楽になります。

「まあ、いっか」の精神を持つ

部屋が少し散らかっていても、家事を手抜きしても問題ありません。誰もあなたを責めることはなく、自分に対して優しく接する姿勢が心の回復を支えます。

誰かに頼る勇気を持つ

一人で頑張り続けるほど、心と体の負担は大きくなっていきます。ここでは、周囲の力を借りながら育児の負担を軽くする具体的な頼り方を紹介します。

パートナーに具体的に頼む

疲れていると伝えるだけでなく、どんなサポートをどの程度求めているのかを明確にしましょう。たとえば「〇時まで赤ちゃんを見てほしい」「買い物を代わりにお願いしたいなど」内容を具体的に示すことで、相手も動きやすくなり、協力を得やすくなります。

実家や友人に協力を求める

短時間でも赤ちゃんを見てもらったり、話を聞いてもらったりするだけで、気持ちは大きく楽になります。身近な人に頼ることで、孤独感が和らぎやすくなります。

地域のサポートサービスを利用する

自治体の一時預かりやファミリーサポート、民間の家事代行サービスなど、外部の支援を活用する方法もあります。無理をせず、使える制度やサービスを積極的に検討する姿勢が、心の余裕につながります。

自分のための時間を作る

育児から少し距離を取り、自分自身を労わる時間を持つと、気持ちの安定につながります。わずかな時間でも、自分のために過ごすひとときが、心の回復を支える大切なポイントです。ここでは、具体的な方法を紹介します。

短時間でも好きなことをする

読書や映画鑑賞、お気に入りの音楽を聴く、温かいお茶をゆっくり味わうなど、心が落ち着く時間を意識的に作ってみましょう。

趣味に没頭する

趣味がある場合は、短時間でも取り組むと、育児とは別の世界に意識を向けられます。気分転換になり、心のリフレッシュにつながります。

一人でお風呂に入る

子どもと一緒ではなく、たまには一人で湯船に浸かる時間を作ってみてください。静かな空間で体を温めると、心身ともにリラックスしやすくなります。

軽い運動や気分転換

軽い運動や環境の変化を取り入れると、気持ちが切り替わりやすくなり、ストレスの緩和にもつながります。体を少し動かしたり、いつもと違う場所で過ごしたりするだけでも、心に余裕が生まれるでしょう。具体的には以下の方法が挙げられます。

散歩に出かける

赤ちゃんをベビーカーに乗せて近所を歩くだけでも、外の空気や景色に触れられ、気分が明るくなりやすくなります。無理のない範囲で外に出る時間を作ってみましょう。

ストレッチやヨガ

自宅で手軽にできるストレッチや簡単なヨガは、体の緊張をやわらげ、リラックスしやすい状態へ導いてくれます。短時間でも続けると、心身の負担を軽くできます。

場所や環境を変える

たまにはカフェで過ごしたり、公園でのんびりしたりすると、気分がリフレッシュされやすくなります。環境が変わると、気持ちの切り替えもしやすくなります。

育児ノイローゼの際に頼れる相談先とは?

もしかしたら育児ノイローゼかもしれないと感じたときは、一人で抱え込まず、外部のサポートを頼る姿勢がとても大切です。セルフケアだけで気持ちが楽になる場合もありますが、状況によっては専門的な視点からの助言や、第三者による支えが役立つでしょう。

ここでは、今の状態や悩みに合わせて活用しやすい、さまざまな相談先を紹介します。

公的な相談窓口(自治体、保健センターなど)

公的な相談窓口は、子育て中のママにとって身近で頼りやすい存在です。多くが無料で利用でき、保健師や栄養士、心理士などの専門職が対応してくれます。育児の悩みだけでなく、心身の不調や不安についても気軽に相談できる点も特徴です。

まずは、お住まいの地域の自治体のホームページで「子育て相談」「育児相談」などのキーワードを使い、利用しやすい窓口を調べてみましょう。具体的には、以下のような窓口があります。

保健センター

乳幼児健診や予防接種の窓口として知られていますが、育児相談や心身の健康相談にも対応する施設です。電話や面談を通じて、個々の状況に合わせたきめ細やかなサポートが受けられます。

子育て支援センター

地域の親子が集まる場所で、育児相談のほか、他の保護者との交流の場としても利用できます。孤立感を和らげたいときや、同じ立場の人と話したいときにも役立ちます。

児童相談所

子どもや家庭に関する幅広い相談を受け付けています。育児ノイローゼによる子育ての難しさや不安についても対応可能です。

専門機関(心療内科、精神科)

精神的な症状が強く、日常生活に支障を感じている場合や、セルフケアだけでは改善が見られないときは、心療内科や精神科などの専門機関の受診を検討してみましょう。

心療内科や精神科に行くことに抵抗を覚える方もいるかもしれませんが、育児ノイローゼは心の不調の一つであり、専門家の力を借りるのは特別な行為ではありません。早い段階で適切な診断やサポートを受けると、症状の悪化を防ぎ、回復への道が開きやすくなります。

受診を考える際は、事前に電話で育児のストレスについて相談したいと伝えると、対応がスムーズです。あわせて、女性医師の在籍有無や、子どもを連れての来院が可能かどうかを確認しておくと、安心して受診できるでしょう。

民間団体・NPO法人

公的な機関や医療機関以外にも、子育て中の母親を支える民間団体やNPO法人は数多くあります。電話相談やオンライン相談、同じ悩みを抱える人同士が交流するピアサポートグループなど、気軽に利用しやすい支援が用意されている点が特徴です。

たとえば、産後ケアを専門とする「NPO法人マドレボニータ」や、「全国精神保健福祉センター」の相談窓口などが代表的な例です。多くの場合、匿名での相談に対応しており、共感的な姿勢で話を聞いてもらえるため、身近な人には打ち明けにくい悩みも話しやすくなります。

インターネットで「育児ノイローゼ 相談 民間」「子育て支援 NPO」などのキーワードを使って調べると、地域で利用できる団体や、オンライン対応の支援先を見つけやすいでしょう。

オンライン相談サービス

時間や場所に制限がある中でも、自宅にいながら気軽に相談できるのがオンライン相談サービスです。ビデオ通話やチャットを利用して、カウンセラーや専門家と直接やり取りができるため、外出が難しい方でも無理なく利用しやすい点が魅力です。

オンラインカウンセリングでは、専門のカウンセラーが話を丁寧に聞き取り、状況に応じたアドバイスを行います。自宅という落ち着いた環境で相談できるため、対面で話すのに抵抗を感じる方や、人目を気にせず話したい方にも向いています。

チャット相談では、文字でやり取りができるため、自分の気持ちを整理しながら相談を進めることが可能です。言葉にするのが難しい内容でも、時間をかけて考えながら伝えられます。

多くのサービスはスマートフォンやパソコンから利用でき、予約もオンラインで完結します。育児の合間や子どもが寝ている時間など、自分の生活リズムに合わせて使いやすい点も大きな利点です。

信頼できる友人や家族

最も身近な存在である友人や家族も、大切な相談相手です。専門的な助言は得られなくても、話をじっくり聞いてもらい、気持ちに寄り添ってもらえるだけで、心の負担は大きく和らぎます。

こんな内容を話してもいいのだろうか、心配をかけたくないと感じる方も多いかもしれません。しかし、つらさを打ち明けると、思いがけない形で具体的なサポートが得られる場合もあります。数時間子どもを預かってもらえたり、家事を手伝ってもらえたりすると、心と体の余裕を取り戻しやすくなります。こうした支えは、育児ノイローゼの回復に向けた大きな助けになるでしょう。

まずは一番話しやすい相手に、最近少しつらいと感じていると素直な気持ちを伝えてみてください。あなたのサインに気づき、支えてくれる人はきっと身近にいます。

パートナーや家族に育児ノイローゼを理解してもらう方法とは

パートナーや家族に悩みを打ち明け、協力を得る姿勢は、育児ノイローゼを乗り越えるために欠かせません。ただ、どのように伝えれば理解してもらえるのかと迷う方も多いでしょう。ここでは、感情に流されず、自分の状況を落ち着いて伝え、無理のない形でサポートをお願いするためのポイントを紹介します。

自分の気持ちを正直に伝える

相手を責める言い方ではなく、「私は今こう感じている」と自分の気持ちを主語にして伝える「I(アイ)メッセージ」を意識してみましょう。たとえば、「あなたは何も手伝ってくれない」と言う代わりに、「一人で全部抱えているように感じて、とてもつらい」と伝えると、相手も状況を受け止めやすくなります。

気持ちを責める形ではなく共有する形で表現すると、相手は防御的になりにくく、話を聞こうとする姿勢につながります。自分の心の状態を素直に伝える意識が、理解と協力を得るための大切な第一歩です。

具体的な状況を説明する

「しんどい」とだけ伝えるのではなく、具体的な状況を説明することが大切です。

たとえば、「夜中に3回起きて授乳し、日中も休む時間がなく、体がしんどくて頭がぼーっとする」や「些細なことでイライラしてしまい、子どもに強く当たってしまうこともある。そんな自分が嫌になる」など、具体的なエピソードを交えることで、相手はあなたの状況をよりリアルに想像し、共感しやすくなります。

協力してほしいことを具体的に伝える

「手伝ってほしい」といった曖昧な伝え方では、相手は何をすればよいのか判断できません。曜日や時間帯、お願いしたい内容、必要な時間の長さなどを具体的に示すと、協力してもらいやすくなります。

たとえば、平日の夜に赤ちゃんのお風呂を担当してほしい、週末の午前中だけ一人で外出する時間を確保したいなど、いつ・何を・どのくらいお願いしたいのかをはっきり伝える意識が大切です。要望が明確になると、相手も状況を理解しやすくなり、実際の行動に移しやすくなります。

感謝の一言を添える

相手が協力してくれた時には、必ず感謝の気持ちを伝えましょう。「ありがとう」「助かったよ」といった一言は、相手が気持ちよく協力し続けるための大切な要素です。感謝を伝えることで、良好な関係を築き、継続的なサポートを得られるようになります。相手の行動を認め、労う気持ちを忘れないように心がけましょう。

育児ノイローゼを乗り越えて子育てを楽しむコツとは

育児ノイローゼの辛い時期を乗り越えたら、次は「また子育てを楽しみたい」という気持ちになれるはずです。ここでは、そのための具体的なステップや考え方のヒントをお伝えします。

小さな成功体験を積み重ねる

毎日を完璧に過ごさなければならないと、自分にプレッシャーをかけていませんか。育児に必要なのは完璧さではなく、小さな前進に目を向ける姿勢です。

たとえば、赤ちゃんが笑顔を見せてくれた、外に散歩へ行けた、一品でも手作りの料理ができたなど、どれも立派な成果です。どんなにささやかな出来事でも、今日はここまでできたと認め、自分をねぎらってあげましょう。

こうした小さな積み重ねが、少しずつ自信を育て、気持ちを前向きに整えてくれます。

自分を責めない

もっと頑張らなければならない、私がダメだからこうなっているのではないかと、自分を責めてしまう気持ちはとても自然なものです。けれど、育児ノイローゼは決して甘えではありません。誰にでも起こり得る、心と体からの大切なサインです。

まずは自分を責めるのをやめ、今の状態をそのまま受け止めてあげましょう。ネガティブな感情が浮かんできたときも、こんなふうに感じているのだなと静かに認めるだけで十分です。そのうえで、私は私なりに頑張っていると、自分に優しい言葉をかけてあげてください。

自分を許し、認める姿勢が少しずつ自己肯定感を育て、心を軽くしていきます。

同じ悩みを持つ仲間と繋がる

一人で抱え込んでいると、孤独感が強まり、つらさも大きくなりやすくなります。そんなときは、同じような悩みを抱える人とつながるだけでも、気持ちがぐっと楽になります。

地域のママ友や育児サークル、オンラインコミュニティなど、交流できる場は身近にたくさんあります。共感し合える相手がいると、自分だけが苦しんでいるわけではないと実感でき、心が軽くなります。

悩みを分かち合ったり、ちょっとした育児の工夫を教え合ったりする中で、孤独感は少しずつ和らいでいくものです。支え合える仲間の存在が、前向きな気持ちで子育てと向き合う力につながります。

まとめ:育児ノイローゼとは何かを知り、一歩ずつ笑顔を取り戻すために

育児ノイローゼとは、甘えではなく心と体が発している大切なSOSのサインです。もし当てはまるかもしれないと感じても、決して一人で抱え込む必要はありません。原因や症状を知り、セルフケアを取り入れ、必要に応じて相談先を頼ることで、状況は少しずつ整っていきます。

子育ては完璧でなくても大丈夫で、休むことや助けを求めることも立派な選択です。今できる小さな一歩が、心の余裕と笑顔を取り戻すきっかけになります。心の不調にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者

院長 根木 淳

愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手金融機関に勤務。2005年、秋田大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部精神科に入局。八事病院、三重県立子ども心身発達医療センターなどで研鑽を積む。京都大学医学部大学院とfMRIによる精神症状の脳機能の共同研究を経て慶應義塾大学大学院精神・神経科に入局。東京大学工学系研究科と連携して自動車運転の認知機能と安全性についての研究を行う。大学病院での診療、戸田病院、秋元病院、ガーデンクリニックなどでの診療業務に併行して、外資系及び国内大手IT企業、外資系大手コンサルティングファーム、テレビ・インターネット通販企業、都市銀行、国内大手証券会社、総合商社、特許翻訳・知財コンサル系企業、建設コンサルタント企業、広告代理店、大手旅行代理店、独立行政法人(公的法務支援機関)、大手不動産、大手企業信用調査会社、グローバルEC系企業、大手アパレル企業、国内最大手スーパーなど、都心大企業を中心に50社以上の産業医として企業のメンタルヘルスに従事。令和2年5月、北越谷駅前さくらメンタルクリニック院長に就任。併行して産業医業務に従事している。 【資格・所属学会など】 日本精神神経学会専門医・指導医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 日本老年精神医学会専門医・指導医

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