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2026.03.25 不安障害・不安症

社交不安障害の症状とは?チェックリストと克服へのステップ

人前で話す場面に強い不安を感じたり、初対面の相手とうまく話せなかったりして、対人場面そのものが大きな負担になっていませんか。こうした過剰な緊張や恐怖が続き、日常生活や社会生活に影響が及んでいる場合、社交不安障害という心の状態が関係している可能性があります。

本記事では、最新の知見を踏まえながら、身体・思考・行動に現れる症状の特徴を整理し、セルフチェックの視点や原因、生活への影響、改善に向けた具体的な対処法や治療の選択肢まで丁寧に解説します。不安の正体を理解し、自分らしく人と関わるための一歩につなげていきましょう。

社交不安障害の症状を知る前に押さえておきたい定義

社交不安障害は、他者からの視線や評価への強い恐れが持続し、生活や行動の選択に影響を及ぼす心の不調です。かつては「社会恐怖」と呼ばれていた状態を含み、現在ではより広い概念として「社交不安障害」という名称が用いられています。代表的な例として、次のような場面が挙げられます。

  • 初対面の人と話すとき
  • 会議で発言するとき
  • 大勢の前でプレゼンテーションをするとき
  • 電話をかけるとき
  • 人前で食事をするとき
  • 異性と話すとき
  • 店員に話しかけるとき

こうした場面で生じる不安は単なる緊張を超え、動悸や発汗、震え、吐き気などの身体反応を伴う場合があります。やがて対人状況を避ける傾向が強まり、学業や仕事、人間関係に影響が及ぶ可能性も否定できません。その結果、生活全体の満足度が大きく損なわれるケースも見られます。

社交不安障害の具体的な症状

社交不安障害の症状は、単に「緊張しやすい」「恥ずかしがり屋」といったレベルを超え、日常生活に大きな支障をきたすほど強い不安や恐怖を伴います。これらの症状は、身体、思考、行動のそれぞれに現れるのが特徴です。

身体的な症状

社交不安障害を抱える人は、特定の対人場面に直面すると、以下のような身体的な不快症状を経験することがあります。これらの症状は、体が危険を察知して過剰に反応している状態と言えるでしょう。

  • 動悸・心拍数の増加: 心臓がドキドキと速く打つ感覚に襲われます。
  • 発汗: 手のひらや脇の下などに大量の汗をかくことがあります。
  • 震え: 声が震えたり、手足や全身が小刻みに震えたりすることがあります。
  • 顔面紅潮(赤面): 顔が熱くなり、赤くなるのを強く意識し、さらに不安になる悪循環に陥ることもあります。
  • 吐き気・腹痛: 胃のむかつきや吐き気、差し込むような腹痛、下痢や便秘といった消化器系の不調が現れることがあります。
  • 息苦しさ・過呼吸: 息がしにくく感じたり、呼吸が速くなったりすることもあります。
  • めまい・立ちくらみ: ふらつきや、意識が遠のくような感覚に襲われることがあります。
  • 口の渇き: 緊張で口の中がカラカラになることがあります。

これらの症状は、人前で話す、注目される、評価されるといった状況で特に強く現れ、さらに不安を増幅させる要因となります。

認知的(考え方)な症状

社交不安障害では、身体反応だけでなく思考のパターンにも大きな影響が及びます。対人場面の前後や最中には、否定的な考えに意識が引き寄せられやすくなるでしょう。こうした認知の偏りは、実際の状況以上に問題を深刻に感じさせ、不安をさらに強めてしまいます。結果として、現実的な判断がしにくくなる場合も少なくありません。

その代表的な思考の特徴を、以下で具体的に見ていきます。

否定的な自己評価が強まる

自分には能力がない、話がつまらない、きっと嫌われるなど、根拠のない自己否定的な考えが浮かびやすくなります。自信を持てず、行動への不安がさらに高まるケースも多いでしょう。。

他者からの評価を過度に恐れる

変に思われるのではないか、馬鹿にされるのではないかなど、他人の視線や評価を強く意識します。常に批判される可能性を想定し、安心して振る舞えなくなります。

失敗への強い恐怖と完璧志向

わずかな失敗も許されないと感じ、強い緊張を抱えやすい点も特徴です。完璧でなければならないという思い込みがプレッシャーとなり、不安をさらに増幅させます。

過剰な自己意識への集中

声の震えや赤面、手の動きなどの身体反応に注意が集中します。周囲も気づいているはずだと感じ、不安がいっそう強まるケースも少なくありません。

思考が止まる・頭が真っ白になる

強い緊張により、話す内容や次の行動が思い浮かばなくなる場合があります。思考が途切れ、状況への対応が難しくなります。

行動的な症状

身体反応や思考の変化だけでなく、社交不安障害は日常の行動にもはっきり表れます。多くは不安を和らげようとする無意識の反応ですが、安心を得られるのは一時的にとどまります。対人場面へ向き合う機会が減るほど、不安は持続しやすく、むしろ強まる傾向も見られるでしょう。こうした行動パターンが繰り返されると、症状が固定化しやすくなります。

代表的な行動の特徴を、以下に整理します。

特定の社交場面を避ける

強い緊張を感じる場面への参加を控えたり、直前で取りやめたりする傾向がみられます。会議や飲み会、発表の機会などから距離を置きやすくなるでしょう。

視線を合わせられない

相手と目を合わせる場面に強い不安が生じます。視線をそらす、下を向くといった反応が習慣化しやすく、対話そのものが負担に感じられる場合もあります。

声が震える・言葉が詰まる

発言しようとすると声が震えたり、言葉が途切れたりします。思うように話せない経験が重なるほど、会話を避けたい気持ちが強まっていきます。

話の流れを組み立てにくい

緊張の高まりにより思考がまとまりにくくなります。言葉が出るまで時間を要し、返答が遅れる場面も少なくありません。

動きや姿勢が不自然になる

身体のこわばりが強まり、身振りや表情がぎこちなくなります。姿勢が固まり、自然に振る舞えない感覚が続く方もいるでしょう。

場面ごとの症状の現れ方

社交不安障害の症状は、特定の対人場面で強く表面化しやすい傾向があります。不安や緊張は状況によって反応の出方が異なり、身体反応・思考・行動が組み合わさって現れます。こうした反応は一般的な人見知りや緊張の範囲を超え、社会生活や人間関係に大きな負担をもたらす場合もあるでしょう。

代表的な場面と反応の特徴を整理します。

スピーチやプレゼンテーション

多くの視線を集める状況では、動悸や発汗、声の震え、思考停止などが起こりやすくなります。失敗や評価への不安が強まり、準備していた内容を思い出せなくなる場面も見られます。

会議やグループディスカッション

発言を求められる場面では緊張が高まり、言葉が出にくくなる場合があります。顔のほてりや動揺を自覚しやすく、周囲の評価を強く意識して発言を控える傾向も生じやすいでしょう。

初対面の人との会話

話題の選択に迷い、沈黙への不安が高まりやすくなります。視線の向け方に戸惑い、振る舞いがぎこちなくなる場面も少なくありません。相手の印象を過度に気にする心理が背景にあります。

食事会や飲み会

周囲の視線を意識しながら食事をする状況に強い緊張を感じます。手の震えや動作の不自然さを自覚しやすく、会話に入りにくい感覚から孤立感が強まる場合もあります。

電話対応

相手の表情が見えない状況では声や言葉遣いへの意識が過剰になりがちです。話の流れを保ちにくく、言葉が詰まる、どもるなどの反応が出る場合もみられます。

社交不安障害 セルフチェックリスト

ご自身の抱える不安が社交不安障害によるものなのか、確認したいと感じている方もいらっしゃるでしょう。ここでは、社交不安障害の一般的な症状に基づいたセルフチェックリストをご紹介します。以下の項目にいくつ当てはまるか、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

ただし、このチェックリストはあくまで自己理解を深めるためのものであり、医学的な診断に代わるものではありません。 診断には専門の医療機関での診察が必要です。

セルフチェックリスト

  • 人前で話すことや発表することに強い不安を感じ、できるだけ避けたいと思う。
  • 初対面の人と会話することに非常に抵抗があり、緊張で言葉が出にくくなることがある。
  • 人から注目される状況(例:会議での発言、食事中に見られること)で、体が震えたり、汗をかいたり、顔が赤くなったりする。
  • 他人の前で字を書くときに手が震える、または震えるのではないかと心配する。
  • 電話をかけることや、公共の場所で電話に出ることに不安を感じる。
  • 人からどう見られているか、どう評価されているかについて過度に心配する。
  • 自分の言動が他人を不快にさせるのではないか、馬鹿にされるのではないかと常に考えてしまう。
  • 不安を感じる場面を避けるために、学校や仕事を休んだり、誘いを断ったりすることがある。
  • 不安を感じる場面の後、自分の行動について反芻し、後悔や自己嫌悪に陥ることが多い。
  • これらの不安や恐怖によって、日常生活(学業、仕事、友人関係など)に支障が出ている。
  • 不安を感じる状況で、動悸、息苦しさ、めまい、吐き気などの身体症状を経験する。
  • 人との交流を避けることで、孤立感を感じることがある。

チェック結果について

もし上記の項目に多く当てはまる場合は、社交不安障害の可能性も考えられます。しかし、これはあくまで目安であり、病気の診断は精神科医や心療内科医などの専門家が行います。

ご自身の不安が日常生活に大きな影響を与えていると感じる場合は、一人で抱え込まず、早めに専門機関への相談を検討することが大切です。

社交不安障害の原因と症状が生まれる背景

社交不安障害は、単一の原因で引き起こされるものではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。ここでは、主に「生物学的要因」「心理的要因」「社会的要因」の3つの側面から、その背景を詳しく見ていきましょう。

生物学的要因

社交不安障害の発症には、生まれ持った気質や脳の働きが関係しているといわれています。たとえば、恐怖や不安の感情を処理する脳の扁桃体の活動が過敏になりやすい状態や、セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスの乱れが代表的な要因です。

これらは気分や不安の調整に深く関わるため、機能の偏りが生じると不安を感じやすくなると指摘されています。また、家族に社交不安障害の人がいる場合、遺伝的な要素が影響している可能性も否定できません。生まれつき繊細で刺激に敏感な気質(HSPなど)を持つ人では、社交場面で強い不安が生じやすい傾向も見られます。

心理的要因

過去の経験や思考の傾向も、社交不安障害の形成に深く関わる要素の一つです。人前で恥ずかしい思いをした経験や、失敗を強く責められた体験などが対人場面への恐怖を強め、その記憶が不安の引き金になる場合があります。

また、完璧でなければならないという思い込みや、他者からの評価を過度に気にする意識の強さ、自己肯定感の低さも不安を高める要因といえるでしょう。さらに、どうせ失敗する、きっと嫌われるといった否定的な思考の癖があると、状況を実際以上に深刻に捉えやすくなります。

その結果、起こり得る最悪の展開を過度に想像し、不安が一層強まるという循環が生まれるケースも珍しくありません。こうした思考と感情の連鎖が続くと、対人場面への恐怖が固定化しやすくなります。

社会的要因

育った環境や社会的な経験も、社交不安障害の発症に影響を及ぼすとされています。 幼少期に強い批判を受け続けたり、過度に保護的・干渉的な養育環境で成長した場合、自信を持ちにくくなり、他者の評価に過敏になりやすい状態が生まれます。

さらに、学校でのいじめや孤立、人間関係での失敗体験、職場での対人トラブルなども、対人場面への恐怖を強める契機となるでしょう。こうした経験が重なると、人と関わる場面そのものを負担に感じやすくなる傾向があります。

また、社会や文化が人前で堂々と振る舞う姿勢や高い社交性を求める場合、その期待が大きな心理的圧力となることも少なくありません。特に内向的な気質の人にとっては強いプレッシャーとなり、不安の増大につながるといえます。

社交不安障害の症状が日常生活に与える影響

社交不安障害は、一般的な「人前での緊張」とは異なり、日々の生活のさまざまな側面に深刻な影響を及ぼすことがあります。ここでは、仕事や学業、人間関係、そしてその他の日常生活において、具体的にどのような困難が生じるのかを見ていきましょう。

仕事や学業への影響

仕事や学業では対人場面を避けにくいため、社交不安障害の症状が表面化しやすく、日常の活動に大きな影響が及ぶ場合があります。

たとえば、職場でのプレゼンテーションや会議での発言、顧客との電話対応、上司への報告、チームでの共同作業などに強い負担を感じやすく、結果としてパフォーマンスが低下する場面も見られます。学生の場合、授業での発表やグループディスカッション、面接、実習などが強いストレスとなり、学業成績への影響や進路選択の幅が狭まる可能性も否定できません。

こうした状況が続くと、本来の能力を発揮しにくくなり、昇進の機会を逃したり、就職活動で困難を感じたりするケースもあります。近年増えているテレワーク環境でも、オンライン会議での発言やチャットでのやり取りに強い不安を抱き、孤立感が深まる場面も少なくないでしょう。

人間関係への影響

社交不安障害は、人との関係を築き、維持していく過程にも大きな影響を及ぼします。

例えば、新しい環境で友人を作りにくくなったり、これまでの関係が次第に疎遠になったりする場合があります。恋愛においても、相手との距離を縮める場面に強い緊張を覚えやすく、関係が思うように進まないと感じる場面もあるでしょう。家族に対してさえ本音を伝えにくく、すれ違いや意思疎通の不足が生じやすくなります。

人との接触を避ける傾向が強まるため、孤立感が深まりやすい点も見逃せません。さらに、他者の評価を過度に意識するあまり、何気ない言動を否定的に受け取り、人間関係に緊張が生まれる場面も増えていきます。新たな関係を築く意欲が低下し、生活圏や交友関係が次第に狭まっていく場合もあるでしょう。

その他の生活への影響

社交不安障害は、仕事や人間関係にとどまらず、日常生活のさまざまな場面にも影響を広げます。

興味のある趣味の集まりや習い事に参加したい気持ちがあっても、人との関わりを伴う場面に強い不安を覚え、参加を見送ってしまう場合があります。買い物や公共交通機関の利用、外食といった日常的な外出でさえ緊張が高まり、行動の幅が次第に制限されていくこともあるでしょう。

このような状態が続くと、自分への評価が下がりやすく、無力感や自己否定的な思いが強まる傾向が見られます。さらに、不安や緊張が慢性的に続くと、抑うつ状態やパニック発作を併発するリスクも高まります。日々の充実感が得られにくくなり、楽しみや意欲を感じにくい状態へとつながる可能性も否定できません。

社交不安障害の症状を克服するステップ

社交不安障害の症状に悩む方にとって、最も重要なのは「どうすればこの状況を改善できるのか」という点でしょう。社交不安障害は、適切なアプローチによって症状の軽減や克服が十分に可能な心の状態です。ここでは、ご自身で取り組めるセルフケアと、専門家による治療法の両面から、具体的な改善・克服への道筋をご紹介します。

セルフケアでできること

日常の中で取り入れられるセルフケアは、社交不安障害の症状を和らげ、不安への対処力を高める助けになります。無理のない範囲で継続する姿勢が大切です。

リラクゼーション法で緊張を落ち着かせる

不安が高まったときは、深呼吸や筋肉の力をゆるめる方法が有効です。呼吸をゆっくり整えるだけでも、心拍や身体の緊張が和らぎやすくなります。

思考の捉え方を見直す

不安を強める考え方に気づき、現実的な視点へ調整していく取り組みも役立ちます。苦手な場面には小さな段階から慣れていくと、自信を積み重ねやすくなります。

生活習慣を整える

十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は心の安定を支えます。規則正しい生活を意識すると、不安の揺れも抑えやすくなるでしょう。

マインドフルネスを取り入れる

呼吸や身体の感覚に意識を向ける習慣は、過度な心配から距離を取る助けになります。今この瞬間に注意を戻す練習が、心の落ち着きにつながります。

専門家による治療法

セルフケアだけでは改善が難しい場合や、症状が日常生活に大きな影響を及ぼしている場合は、専門家による治療を検討する必要があります。精神科医や心療内科医、臨床心理士などが状態を評価し、症状の程度や生活状況に応じた治療方針を提案します。

治療は一つの方法に限られず、複数のアプローチを組み合わせる形で進められるケースも少なくありません。医師やカウンセラーと相談しながら、無理のない形で継続していく姿勢が重要です。

薬物療法

主に過剰な不安や緊張を和らげる目的で行われる治療法です。脳内の神経伝達物質の働きを調整し、症状の安定を図ります。

代表的なものにSSRIなどの抗うつ薬や抗不安薬があり、症状の強さや体質を踏まえて医師が種類や量を判断します。効果が現れるまで一定の期間を要する場合もあり、継続的な服用と経過観察が欠かせません。

精神療法

対話を通じて思考や行動のパターンを整理し、不安への対処力を高めていく治療法です。認知行動療法をはじめ、対人関係療法やアクセプタンス&コミットメント・セラピーなど、目的に応じた方法が用いられます。不安を引き起こす考え方や行動の傾向を見直し、より現実的で柔軟な対応ができる状態を目指します。

社交不安障害の症状があるときの受診する目安と方法

社交不安障害の可能性を感じていても、専門機関の受診にためらいを覚える方は少なくありません。しかし、症状に悩み続ける状態は、日常生活の満足度を大きく下げてしまいます。ここでは、受診を検討する目安や相談先の選び方、さらに受診前に知っておきたいポイントについて整理していきます。

どのような場合に受診を検討すべきか

社交不安障害の症状は人によって現れ方や影響の大きさが異なります。受診の目安に明確な線引きはなく「この程度で相談してよいのだろうか」と迷う必要はありません。次のような状態が続く場合は、専門機関への相談を前向きに検討してみましょう。

日常生活や社会生活に影響が及んでいる

学校や仕事に行くのがつらい、必要な場面を避けてしまう、友人との交流を控えるようになるなど、生活の行動範囲が狭まっている場合です。普段どおりの生活を送るのが難しくなっているなら、専門家の助けが役立ちます。

症状が長く続いている、または強まっている

不安や恐怖が一時的な反応にとどまらず、数か月以上持続している、あるいは以前より強くなっていると感じる場合です。自然に落ち着く気配が見えないときは、早めの相談が安心につながります。

セルフケアだけでは変化を感じられない

リラクゼーションや思考の見直しなどを試しても、不安の程度がほとんど変わらないと感じるときです。自分なりの対処で限界を感じた段階が、専門的な支援を検討するタイミングといえるでしょう。

他の心身の不調も重なっている

強い不安に加えて、気分の落ち込み、睡眠の乱れ、食欲の変化などが続いている場合です。複数の症状が重なると、別の精神的な問題が関係している可能性もあり、専門的な評価が重要になります。

誰かに話を聞いてもらいたいと感じている

診断や治療を目的としなくても、不安や悩みを整理したい、客観的な視点から助言を得たいと感じる段階も立派な受診理由です。専門家に話すだけでも、気持ちが軽くなる場合があります。

受診できる医療機関の種類

社交不安障害の相談や治療を受けられる医療機関はいくつかあります。それぞれ役割や支援内容が異なるため、目的や状況に応じて選ぶとよいでしょう。主な相談先は次のとおりです。

精神科・心療内科

心の不調を専門的に診断・治療する医療機関です。精神科は精神疾患全般を扱い、心療内科はストレスが関係する身体症状を中心に診療しますが、社交不安障害にも対応しています。医師による診察や診断、薬物療法、必要に応じた精神療法などを受けられます。初診は予約制のケースが多いため、事前確認が必要です。

カウンセリングルーム・公認心理師/臨床心理士の相談機関

専門的なカウンセリングや心理療法を受けられる機関です。診断や薬の処方は行いませんが、認知行動療法など心理的アプローチを中心に支援が受けられます。医療機関と連携している施設もあり、治療の補助的な役割として利用される場合もあります。

精神保健福祉センター・こころの健康相談窓口

自治体が運営する公的な相談機関で、心の健康に関する相談を無料で受けられます。専門の相談員が状況を聞き取り、必要に応じて医療機関や支援制度を案内してくれます。どこに相談すればよいか迷う段階でも利用しやすい窓口です。

オンライン診療・オンラインカウンセリング

自宅からインターネットを通じて診察や心理支援を受けられる方法です。通院の負担を減らしやすい点が特徴です。ただし初診は対面診療が必要な場合や、対応できる症状に制限があるケースもあるため、事前に利用条件を確認しておくと安心です。

受診する際の注意点

初めて専門機関を受診する際は、事前にいくつか準備しておくと、診察がよりスムーズに進みやすくなります。安心して相談できるよう、次のポイントを参考にしてみてください。

症状や経過をメモしておく

いつから症状が現れているか、どのような場面で強まるか、日常生活への影響などを具体的に整理しておくと、医師へ状況を正確に伝えやすくなります。受診前に簡単なメモを作成しておくと安心です。

聞きたい内容を事前にまとめる

治療方法や通院期間、費用の目安など、気になっている点をリストにしておくと質問し忘れを防げます。診察時間を有効に使うためにも有効な準備です。

症状の記録をつけておく

症状が出た日時やきっかけ、そのときの気分や体調を簡単に記録しておくと、状態の変化を客観的に説明しやすくなります。医師が経過を把握する際にも役立ちます。

症状は率直に伝える

恥ずかしさや遠慮を感じる場合もありますが、正確な情報が診断や治療方針の判断につながります。感じている不安や困りごとはできるだけそのまま伝える姿勢が大切です。

医師との相性を確認する

精神医療では信頼関係が治療の質に影響します。説明の分かりやすさや話しやすさなどを受診の中で確認し、合わないと感じた場合はセカンドオピニオンや転院を検討しても問題ありません。

必要に応じて同伴を検討する

不安が強い場合は、家族や友人に付き添ってもらう方法もあります。診察室への同席が可能かどうかは医療機関によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

社交不安障害の症状に関するQ&A

社交不安障害に関してよくある疑問や質問にお答えします。ご自身の状況と照らし合わせながら、理解を深めていきましょう。

Q1:社交不安障害は人見知りや恥ずかしがり屋と何が違いますか

人見知りや恥ずかしがり屋は、新しい環境や初対面の相手に対して一時的に緊張しやすい性格的な傾向です。多くの場合、時間の経過とともに慣れ、自然に振る舞えるようになります。
一方、社交不安障害は、他者から否定的に評価されるのではないかという強い恐怖や不安が繰り返し生じ、日常生活や仕事、学業に影響が及ぶ状態です。不安が非常に強く、対人状況を避ける行動が続きやすい点が大きな違いです。

Q2:社交不安障害は完治しますか

適切な治療によって症状が大きく改善し、日常生活に支障のない状態まで回復する例は多く見られます。

完治の捉え方は個人差がありますが、不安を適切にコントロールしながら行動できる状態を目指す形が一般的です。治療を継続し、専門家と連携しながら取り組む姿勢が回復を支えます。

Q3:子供にも社交不安障害はありますか

子供にも発症するケースは少なくありません。学校での発表や友人関係、教師とのやり取りなどで強い不安を抱き、登校を避ける、集団活動に参加しにくくなるといった様子が現れる場合があります。

言葉で不安を説明しにくいため、不機嫌になる、突然泣く、腹痛などの身体症状として表れることもあるでしょう。気になる変化が続く場合は、小児精神科や児童精神科への相談が検討されます。

Q4:治療にはどのくらいの期間がかかりますか

治療期間は症状の程度や治療への反応によって大きく異なります。一般的には、薬物療法と精神療法を組み合わせる場合、数か月から一年以上かかる例も少なくありません。

症状が落ち着いた後も再発予防のためのケアが続く場合があります。焦らず、自分のペースで取り組む姿勢が回復の安定につながります。

まとめ:社交不安障害の症状を乗り越え、自分らしく生きるために

本記事では、社交不安障害にみられる具体的な症状や背景となる要因、日常生活への影響、改善に向けた対処法、そして専門機関への相談の目安までを幅広く整理しました。

対人場面での強い不安や恐れは、決して一人で抱え続ける必要のあるものではありません。社交不安障害は、正しく理解し適切な支援を受けることで、状態の安定や負担の軽減が十分に期待できます。

大切なのは、ご自身の感じている生きづらさを見過ごさず、できる形から行動を始める姿勢です。セルフケアを試す、信頼できる人に話す、必要に応じて専門家へ相談するなど、小さな一歩が変化のきっかけになります。この記事が前に進むための判断材料となり、より穏やかな日常へ向かう支えとなれば幸いです。

社交不安障害にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者

院長 根木 淳

愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手金融機関に勤務。2005年、秋田大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部精神科に入局。八事病院、三重県立子ども心身発達医療センターなどで研鑽を積む。京都大学医学部大学院とfMRIによる精神症状の脳機能の共同研究を経て慶應義塾大学大学院精神・神経科に入局。東京大学工学系研究科と連携して自動車運転の認知機能と安全性についての研究を行う。大学病院での診療、戸田病院、秋元病院、ガーデンクリニックなどでの診療業務に併行して、外資系及び国内大手IT企業、外資系大手コンサルティングファーム、テレビ・インターネット通販企業、都市銀行、国内大手証券会社、総合商社、特許翻訳・知財コンサル系企業、建設コンサルタント企業、広告代理店、大手旅行代理店、独立行政法人(公的法務支援機関)、大手不動産、大手企業信用調査会社、グローバルEC系企業、大手アパレル企業、国内最大手スーパーなど、都心大企業を中心に50社以上の産業医として企業のメンタルヘルスに従事。令和2年5月、北越谷駅前さくらメンタルクリニック院長に就任。併行して産業医業務に従事している。 【資格・所属学会など】 日本精神神経学会専門医・指導医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 日本老年精神医学会専門医・指導医

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