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「最近、学校に行くのがつらい」「何もやる気が出ない」「自分はダメな人間だと思えてしまう」——そんなつらさを抱えていませんか?あるいは、高校生のお子さんの様子が以前と違って心配、という保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
高校生のうつ病は、決して珍しいものではありません。思春期特有の悩みやストレスが重なり、心がエネルギー切れを起こしてしまうことは誰にでも起こりえます。「甘え」でも「怠け」でもなく、適切な治療とサポートで回復が期待できる病気です。
この記事では、高校生のうつ病の症状や原因、反抗期との見分け方、本人ができること・保護者ができることを詳しく解説します。本人の方にも保護者の方にも役立つ内容となっていますので、必要なところから読んでみてください。
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高校生のうつ病は決して珍しくない
思春期のうつ病の有病率
かつては「子どもはうつ病にならない」と考えられていましたが、現在では中高生のうつ病は決して稀ではないことがわかっています。研究によると、中学1年生のうつ病の有病率は成人とほぼ同じ水準であるという報告もあります。
内閣府の調査では、「自分はダメな人間だと思う」と答えた高校生が7割を超えるというデータもあり、多くの高校生が自己肯定感の低さや強いストレスを抱えていることがわかっています。つまり、あなただけが特別につらいわけではなく、同じように悩んでいる高校生はたくさんいるのです。
大人のうつ病との違い
高校生のうつ病は、大人のうつ病と少し症状の現れ方が異なります。大人の場合は「気分が沈む」「元気がなくなる」というイメージが強いですが、高校生を含む思春期のうつ病では次のような特徴があります。
- 気分の落ち込みよりも、イライラや怒りっぽさが前面に出やすい
- 頭痛・腹痛・倦怠感など身体症状が目立つことが多い
- 食欲低下ではなく過食、不眠ではなく過眠という「逆の症状」が出ることもある
- 自分の気持ちをうまく言葉にできず、行動の変化として現れやすい
- 不登校や引きこもりという形で表面化しやすい
そのため、本人も家族も「うつ病」とは気づかず、「ただの思春期」「反抗期」と片付けてしまうことが少なくありません。
気づかれにくい理由
高校生のうつ病が気づかれにくいのには、いくつかの理由があります。本人は「こんなことで弱音を吐いてはいけない」「親に心配をかけたくない」と我慢してしまいがちです。また、周囲の大人は「思春期だから」「反抗期だから」と考えてしまいがちです。
結果として、発見が遅れ、症状が深刻化してから受診に至るケースも少なくありません。早めに気づいて対処することが、回復への近道になります。
関連記事:うつ病の過食になる理由とは?食欲コントロールと心の回復を目指す方法
高校生のうつ病の症状・サイン
心の症状
まず、心に現れる代表的な症状です。
- ずっと気分が沈んでいる、悲しい気持ちが続く
- 以前は楽しめていたことが楽しめなくなった
- 何もやる気が起きない、無気力
- イライラしやすく、怒りっぽくなった
- 自分を責める気持ちが強い(「自分はダメだ」「みんなに迷惑をかけている」)
- 集中力が続かない、考えがまとまらない
- 不安や焦りが強い
- 「消えたい」「死にたい」と思うことがある
体の症状
思春期のうつ病は、身体症状として現れることが多いのが特徴です。
- 頭痛や腹痛が続く
- 朝起きられない、だるさが取れない
- 食欲がない、または逆に過食してしまう
- 眠れない、または寝すぎてしまう
- めまい・立ちくらみ
- 原因のわからない身体の不調
これらの症状で内科を受診しても異常が見つからない場合、心の問題が関係していることがあります。
行動・生活の変化
日々の行動や生活にも変化が現れます。
- 学校に行きたくない、遅刻や欠席が増える
- 部活や習い事をやめたがる
- 友達と会いたがらない、連絡を取らなくなる
- スマホやゲームにのめり込む、または逆に興味を失う
- 身だしなみを気にしなくなる
- 部屋にこもりがちになる
- 成績が急に下がる
- 自傷行為(リストカット等)が見られる
これらの変化が2週間以上続いている場合は、うつ病の可能性を考えて、専門家に相談することをおすすめします。
反抗期との見分け方【チェックリスト】
「反抗期なのか、うつ病なのか判断がつかない」という保護者の声は非常に多いものです。反抗期とうつ病の違いを整理してみましょう。
※反抗期とうつ病が重なっているケースや、判断が難しいケースも少なくありません
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見分けるポイント |
反抗期 |
うつ病の可能性 |
|---|---|---|
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期間 |
波はあるが長期間続く |
2週間以上ほぼ毎日続く |
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友人関係 |
友人とは普通に楽しめる |
友人にも会いたがらなくなる |
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趣味・好きなこと |
好きなことは続けている |
好きだったことに興味を失う |
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身体症状 |
目立たない |
頭痛・腹痛・不眠・食欲不振 |
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自己評価 |
自信満々な時もある |
「自分はダメだ」と強く自責 |
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希死念慮 |
基本的にない |
「消えたい」「死にたい」と言う |
反抗期は成長過程の自然な現象で、友人関係や好きなことは続けているのが特徴です。一方、うつ病は全般的にエネルギーが下がり、友人関係や趣味からも離れていく傾向があります。特に「死にたい」「消えたい」という言葉が出た場合は、すぐに専門家に相談してください。
関連記事:うつ病は完治する?回復までの期間と再発を防ぐ具体的な方法
高校生がうつ病になる主な原因

高校生のうつ病には、この年代特有のストレス要因が関係しています。主な原因を見ていきましょう。
①学業・受験のプレッシャー
高校生は、大学受験や就職など将来に直結する選択を迫られる時期です。「良い成績を取らなければ」「志望校に合格しなければ」というプレッシャーは想像以上に大きく、真面目で責任感の強い生徒ほど、それを一人で背負い込んでしまいがちです。
中学までは成績優秀だった生徒が、高校でついていけなくなり自信を失う、というケースも少なくありません。
②人間関係のトラブル(友人・部活・いじめ)
思春期は、友人関係や所属グループの影響を強く受けやすい時期です。友人関係のトラブル、部活での上下関係、仲間外れ、いじめなどは、本人にとって非常に大きなストレスとなります。
特にいじめは、本人が親や先生に相談できずに一人で抱え込むことが多く、うつ病の深刻な引き金になります。
③家族関係・家庭環境
親子関係のこじれ、親からの過度な期待、兄弟姉妹との比較、両親の不仲、経済的な不安など、家庭環境もうつ病の大きな要因になります。
ここで重要なのは、「親のせいだ」と保護者が自分を責める必要はないということです。原因は複合的であり、誰か一人が悪いわけではありません。
④SNS・スマホの影響
現代の高校生にとって、SNSは切り離せない存在です。しかし、他人の投稿と自分を比較してしまい、「自分はダメだ」と感じてしまう傾向が強くなっています。また、SNS上でのトラブルやネットいじめも深刻な問題です。
一部の研究では、SNS利用時間が長い若者ほど抑うつ症状との関連がみられることが報告されています。夜遅くまでスマホを見ることで睡眠不足になり、生活リズムが乱れてうつ病につながるケースも多く見られます。
⑤将来への不安・アイデンティティの揺らぎ
「自分は何者なのか」「将来どうなりたいのか」——思春期はアイデンティティを模索する時期です。答えが出ない問いに向き合い続けることで、将来への不安が強くなり、うつ状態に陥ることがあります。
特に高校3年生は進路決定のプレッシャーと重なり、うつ病のリスクが高まりやすい時期です。
⑥生活リズムの乱れ
夜更かし、朝起きられない、昼夜逆転——こうした生活リズムの乱れ自体が、うつ病のリスクを高めます。日光を浴びる時間が減るとセロトニン(幸福感に関わる神経伝達物質)の分泌が減り、気分が沈みやすくなります。
【高校生本人へ】つらいあなたへ伝えたいこと
あなたは悪くない、甘えでもない
まず、一番大切なことを伝えさせてください。あなたがつらいのは、あなたが弱いからでも、甘えているからでもありません。うつ病は、心や脳のエネルギーが大きく低下している 状態で、気合や根性でどうにかなるものではないのです。
「こんなことで弱音を吐いてはいけない」「みんな頑張っているのに自分だけ」と思ってしまうかもしれませんが、あなたは十分に頑張っています。むしろ、頑張りすぎたから心が疲れてしまったのです。
親に言えないときの相談先
「親に心配をかけたくない」「親は忙しそう」「怒られるかもしれない」——そんな理由で親に言えずに悩んでいるかもしれません。でも、親に言わなくても、あなたの話を聞いてくれる場所はたくさんあります。
- 【学校の保健室(養護教諭)】守秘義務があるので安心して話せます。家族への伝え方も相談できます
- 【スクールカウンセラー】心の専門家。多くの高校に配置されています
- 【精神保健福祉センター】各都道府県に設置。電話相談もできます(「○○県 精神保健福祉センター」で検索)
- 【よりそいホットライン】0120-279-338(24時間・無料・匿名可)
- 【まもろうよこころ(厚生労働省)】LINE・チャット・電話で相談可
- 【チャイルドライン】0120-99-7777(18歳まで・匿名可)
「誰かに話してみる」という最初の一歩が、状況を変える大きなきっかけになります。名前を言わなくても相談できる窓口もあるので、安心してください。
一人でできるセルフケア
受診やカウンセリングと並行して、自分でできるケアもあります。ただし、これらは「治療の代わり」ではなく「補助」として考えてください。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
- 朝、少しでも日光を浴びる(カーテンを開けるだけでもOK)
- 無理のない範囲で体を動かす(散歩でも十分)
- スマホを見る時間を減らす(特に寝る前)
- つらい気持ちをノートに書き出してみる
- 自分を責める言葉を、少しだけ優しい言葉に置き換えてみる
全部やらなくて大丈夫です。できそうなことを一つだけ、試してみてください。
【保護者の方へ】子どもにどう接すればいいか
お子さんの様子がおかしい、うつ病かもしれないと気づいたとき、保護者としてどう接すればいいか悩まれることでしょう。ここでは具体的な関わり方をお伝えします。
まずは話を聞くことから
最初の一歩は、ただ話を聞くことです。「何があったの?」と詰問するのではなく、「最近どう?」「何かつらいことない?」と優しく声をかけ、子どもが話し始めたらさえぎらずに最後まで聞いてあげてください。
アドバイスをしたり、解決策を示したりする必要はありません。「そうだったんだね」「つらかったね」と共感するだけで十分です。子どもは「わかってもらえた」と感じることで、心が少し軽くなります。
言ってはいけないNGワード
良かれと思ってかけた言葉が、かえって子どもを追い詰めてしまうことがあります。次のような言葉は避けましょう。
- 「気合が足りない」「甘えるな」
- 「みんな頑張っているんだから」
- 「そんなことくらいで」
- 「早く学校に行きなさい」
- 「誰のおかげで生活できていると思っているの」
- 「親の育て方が悪かったのかな」(親の自責も子どもの負担になります)
代わりに、「無理しなくていいよ」「一緒に考えよう」「味方だよ」といった言葉をかけてあげてください。
無理に学校に行かせない
うつ病で学校に行けない子どもに対して、無理に登校させるのは逆効果です。子ども自身も「行かなければ」と焦り、葛藤しています。そこに追い打ちをかけると、家庭さえも安心できない場所になってしまいます。
高校は義務教育ではないため、休むことへの不安は大きいと思いますが、まずは心と体の回復が最優先です。単位や出席日数の問題は、学校と相談しながら後から解決できます。
医療機関への受診を勧めるコツ
「精神科」「心療内科」と聞くと、子どもも保護者も抵抗を感じるかもしれません。受診を勧めるときは、次のような言い方が効果的です。
- 「最近眠れていないみたいだから、お医者さんに相談してみようか」
- 「頭痛がひどいから、一度診てもらおう」
- 「話を聞いてもらえる場所に行ってみない?」
- 「心の風邪みたいなものだから、早めに診てもらうと楽になるよ」
本人がどうしても受診を拒む場合は、保護者だけで先に医療機関や精神保健福祉センターに相談することもできます。専門家が家族へのサポートや受診に繋げる方法をアドバイスしてくれます。
親自身も抱え込まない
子どもがうつ病になると、保護者自身も大きなショックを受け、「自分の育て方が悪かった」と自分を責めてしまいがちです。しかし、うつ病の原因は複合的であり、誰か一人のせいではありません。
保護者が追い詰められて共倒れになっては、お子さんを支えることができなくなってしまいます。信頼できる人に話を聞いてもらう、家族会に参加する、必要なら保護者自身もカウンセリングを受けるなど、自分自身のケアも大切にしてください。
関連記事:うつ病の人が言ってほしい言葉とは?接し方や声かけのポイント
高校生のうつ病の治療

精神科・心療内科でできること
高校生のうつ病の治療は、主に精神科または心療内科で行われます。治療の基本は、十分な休養・薬物療法・心理療法の組み合わせです。
初診では、症状の経過や生活状況、家族関係などを詳しく聞き取ります。本人と話しづらい内容があれば、保護者と医師だけで話す時間を設けることもできます。未成年の受診には原則として保護者の同意が必要です。
抗うつ薬と24歳以下の注意点
高校生のうつ病治療で特に知っておきたいのが、抗うつ薬と若年者の関係です。24歳以下の患者さんでは、抗うつ薬の使用により「死にたい気持ち(希死念慮)」がわずかに増える可能性があることが報告されています(25歳以上では逆に希死念慮が減ることがわかっています)。
このため、高校生への抗うつ薬の処方は慎重に行われ、医師は必ず本人と家族にリスクを説明します。服用を開始した直後は、特に本人の様子を注意深く見守ることが必要です。
抗うつ薬を自己判断で中止するのは危険です。気になることがあれば、必ず主治医に相談してください。
カウンセリング・心理療法
思春期のうつ病では、薬物療法よりもカウンセリングや心理療法が中心になることもあります。認知行動療法や対人関係療法など、考え方のクセや人間関係の悩みにアプローチする治療法があります。
話を聞いてもらうだけでも、子どもは「わかってもらえる場所がある」という安心感を得られます。治療の効果は時間をかけてゆっくり現れるので、焦らず続けることが大切です。
学校との連携
治療を進めるうえで、学校との連携も重要です。主治医から診断書を発行してもらい、学校に提出することで、出席日数の配慮や試験の特別対応、保健室登校など、柔軟な対応を受けられる場合があります。
スクールカウンセラーや担任の先生と情報を共有し、本人に無理のない形で学校生活を続けられるよう、チームでサポートしていく視点が大切です。
学校に行けなくなったときの選択肢

うつ病で学校に行けなくなっても、将来の道が閉ざされるわけではありません。現在は多様な選択肢があります。
休学・出席日数の配慮
まずは在籍している高校で、休学や出席日数の配慮を相談してみましょう。単位の取得方法や補講など、学校によって対応は異なりますが、相談する価値はあります。
通信制高校・定時制高校への転校
通信制高校は、自宅学習を中心に、少ない通学日数で高校卒業を目指せる学校です。自分のペースで学べるので、うつ病の回復期にも無理なく通えます。定時制高校は、午後や夕方から授業があるため、朝がつらい方に向いています。
通信制高校への転校は「逃げ」ではなく、環境を変えて自分に合った学び方を選ぶ前向きな選択です。最終学歴は「高校卒業」で変わりません。
フリースクール・その他の選択肢
フリースクールは、学校に通えない子どもの居場所として機能している民間施設です。学校復帰を目標にするところもあれば、子どものペースを尊重するところもあります。地域によって特色が異なるので、合う場所を探してみてください。
また、高校卒業程度認定試験(高認)を受けて大学進学を目指す道もあります。選択肢は一つではありません。
緊急時の相談先【命に関わるとき】
【すぐに助けが必要なとき】「死にたい」という気持ちが強い、自傷行為を繰り返している、命の危険を感じる——そんなときは、ためらわず次の窓口に連絡してください。
- 【よりそいホットライン】0120-279-338(24時間・無料・年中無休)
- 【いのちの電話】0570-783-556(10時〜22時)
- 【まもろうよこころ(厚生労働省)】電話・LINE・チャット相談窓口あり
- 【チャイルドライン】0120-99-7777(18歳まで・16時〜21時)
- 【救急(119番)】命の危険があるとき
- 【警察(110番)】暴力や事件の危険があるとき
保護者の方へ:お子さんが希死念慮を訴えている場合、「そんなこと言わないで」と否定するのではなく、「話してくれてありがとう」「つらかったね」と受け止めてください。そして、その日のうちに精神科救急や精神保健福祉センターに連絡することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高校生のうつ病は治りますか?
適切な治療を早めに始めれば、多くの場合は回復が期待できます。高校生は周囲のサポートや環境調整によって改善しやすいケースも多くあります。 「一生この病気のままだ」と思う必要はありません。焦らず治療を続けることが大切です。
Q2. 親にうつ病のことを言えません。一人で病院に行けますか?
未成年の場合、精神科・心療内科の受診には原則として保護者の同意が必要です。また、保険証を使うと後日受診履歴が親にわかる可能性があります。どうしても親に言えない場合は、まず学校の保健室、スクールカウンセラー、精神保健福祉センターに相談してみてください。専門家が家族への伝え方をサポートしてくれます。
Q3. 子どもが「死にたい」と言いました。どう対応すればいいですか?
絶対に否定せず、「話してくれてありがとう」「つらかったんだね」と受け止めてください。「大げさだ」「そんなこと言うな」は逆効果です。そしてその日のうちに、精神科や精神保健福祉センター、夜間ならよりそいホットライン(0120-279-338)などに相談してください。一人で抱え込まないでください。
Q4. うつ病と不登校はどう違いますか?
不登校は「学校に行けない状態」を指す言葉で、原因はさまざまです。うつ病は病気の診断名で、不登校の原因の一つになることがあります。つまり「不登校の背景にうつ病がある」というケースは少なくありません。長引く不登校の場合は、一度精神科で相談してみることをおすすめします。
Q5. 親のせいで子どもがうつ病になったのでしょうか?
うつ病の原因は、遺伝的な素因、脳の状態、ストレス、環境、性格など複数の要因が重なって起こります。特定の誰か一人のせいではありません。保護者の方が「自分のせいだ」と自分を責めすぎると、かえってお子さんの負担になることもあります。自分を責めるよりも、これからどうサポートしていくかに目を向けてください。
まとめ
高校生のうつ病は、決して珍しいことでも、恥ずかしいことでも、甘えでもありません。適切な治療と周囲のサポートで、回復が期待できる病気です。
大切なポイントをおさらいします。
- 高校生のうつ病は成人とは症状の現れ方が異なり、イライラや身体症状が目立ちやすい
- 反抗期とは違い、2週間以上症状が続く、友人関係や趣味からも離れる、希死念慮があるなどの特徴がある
- 学業・人間関係・SNS・生活リズムなど複数の要因が重なる
- 本人が親に言えないときでも、保健室・スクールカウンセラー・相談窓口など頼れる場所がある
- 保護者は「話を聞く」「無理に学校に行かせない」「自分も抱え込まない」が基本
- 24歳以下は抗うつ薬の使用に注意が必要で、必ず医師の指示に従う
- 学校に行けなくても通信制高校・定時制・フリースクールなど選択肢は豊富にある
つらい今は永遠には続きません。一人で抱え込まず、信頼できる大人や専門家の力を借りながら、少しずつ前に進んでいきましょう。この記事を読んでくれたあなたが、少しでも楽になれることを願っています。
うつ病でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者
院長 根木 淳
愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手金融機関に勤務。2005年、秋田大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部精神科に入局。八事病院、三重県立子ども心身発達医療センターなどで研鑽を積む。京都大学医学部大学院とfMRIによる精神症状の脳機能の共同研究を経て慶應義塾大学大学院精神・神経科に入局。東京大学工学系研究科と連携して自動車運転の認知機能と安全性についての研究を行う。大学病院での診療、戸田病院、秋元病院、ガーデンクリニックなどでの診療業務に併行して、外資系及び国内大手IT企業、外資系大手コンサルティングファーム、テレビ・インターネット通販企業、都市銀行、国内大手証券会社、総合商社、特許翻訳・知財コンサル系企業、建設コンサルタント企業、広告代理店、大手旅行代理店、独立行政法人(公的法務支援機関)、大手不動産、大手企業信用調査会社、グローバルEC系企業、大手アパレル企業、国内最大手スーパーなど、都心大企業を中心に50社以上の産業医として企業のメンタルヘルスに従事。令和2年5月、北越谷駅前さくらメンタルクリニック院長に就任。併行して産業医業務に従事している。 【資格・所属学会など】 日本精神神経学会専門医・指導医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 日本老年精神医学会専門医・指導医