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2026.06.16 うつ病

うつ病の人への接し方|家族・恋人・友人・職場でのNGワードとOKワードを解説

「家族がうつ病と診断されたけど、どう接していいかわからない」「良かれと思ってかけた言葉で傷つけてしまったかも」「何もしてあげられない自分が情けない」——そんな戸惑いや不安を抱えて検索された方も多いのではないでしょうか。

うつ病の人との接し方は、想像以上にデリケートです。励ますつもりの言葉がプレッシャーになったり、心配している気持ちが本人を追い詰めてしまったりすることも珍しくありません。しかし、基本的なポイントを押さえておけば、支える側として大切な役割を果たすことができます。

この記事では、うつ病の人への接し方の基本、避けたいNGワードとかけたい言葉、家族・恋人・友人・職場といった関係性別の対応法、そして支える側の心のケアまで、幅広く解説します。

あなたが今、悩みながらもこの記事を読んでいること自体が、本人にとって大きな支えになる第一歩です。一緒に、寄り添い方を考えていきましょう。

うつ病の人に接する前に知っておきたいこと

うつ病は「脳や心の働きに不調が起こる病気」

まず押さえておきたいのは、うつ病は「心の弱さ」でも「甘え」でもなく、脳の機能障害による病気であるということです。脳内の神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリンなど)のバランスが崩れることで、意欲・気分・思考・睡眠・食欲などに不調が現れます。

骨折をした人に「気合いで歩け」と言わないのと同じで、うつ病の人に「気の持ちようだ」「甘えるな」と言っても治るものではありません。病気として理解することが、適切な接し方の出発点です。

本人は誰よりも苦しんでいる

うつ病の方は、「自分はダメな人間だ」「周囲に迷惑をかけている」という強い自責感に苦しんでいます。仕事や家事ができない自分を誰よりも責めており、回復したいと一番強く願っているのも本人です。

周囲から見ると「怠けている」「逃げている」ように見えることもあるかもしれませんが、実際は全身の力が抜けて動けない状態なのです。「全身に100キロの重りがついている感じ」「生きるエネルギーが枯渇している」といった表現をする方もいます。

回復には時間がかかる

うつ病の回復は一直線ではなく、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ進んでいきます。数週間で治る病気ではなく、多くの場合、数ヶ月から1年以上の時間が必要です。

「早く治してあげたい」という気持ちはとてもわかりますが、焦りは禁物です。長期戦を覚悟して、ゆっくり寄り添う姿勢が何より大切になります。

うつ病の回復には時間がかかります。「早く治って」ではなく「焦らなくていいよ」という姿勢が、本人の安心につながります。

関連記事:うつ病の人が言ってほしい言葉とは?接し方や声かけのポイント 

うつ病の人への接し方の基本【7つのポイント】

①話を最後まで聞く(傾聴)

うつ病の人に接するときの最も大切な姿勢は「傾聴」です。話の途中で遮ったり、アドバイスをしたり、意見を言ったりせず、相手の話を最後まで静かに聞くことに徹しましょう。

本人が話しているときに「それは違うよ」「こうすればいいんじゃない?」と反応してしまうと、「自分の気持ちをわかってもらえない」と感じて、心を閉ざしてしまうことがあります。ただ頷きながら「そうなんだね」「つらかったね」と受け止めるだけで十分です。

②否定せず共感する

本人が「自分はダメだ」「生きている意味がない」などネガティブな発言をすると、「そんなことないよ!」と否定したくなります。しかし、この否定は相手の気持ちを無視することになりがちです。

代わりに「そう感じるほどつらいんだね」「そう思ってしまうくらい苦しいんだね」と、気持ちを受け止める言葉をかけましょう。気持ちを否定せず、まず受け入れることが信頼につながります。

③無理に励まさない

「頑張って」「元気出して」といった励ましの言葉は、うつ病の人にとって大きなプレッシャーになります。本人は既に限界まで頑張っており、それ以上頑張れない状態だからこそ、うつ病になっているのです。

「頑張ってね」と言われると、「これ以上何を頑張ればいいの」「自分が頑張っていないと思われている」と感じ、さらに自分を追い詰めてしまいます。励ますのではなく、労う言葉を選びましょう。

④焦らせない・急かさない

「いつになったら治るの?」「早く元気になってね」という言葉も禁物です。本人が一番焦りを感じており、早く回復したいと願っていることを忘れないでください。

回復には個人差があり、思ったように良くならないことも多々あります。「焦らなくていいよ」「時間がかかって当然だよ」と伝えることで、本人は安心して療養に専念できます。

⑤そっと見守る

何か言葉をかけなければ、何かしてあげなければ、と気負う必要はありません。ただそばにいるだけでも、「一人じゃない」という安心感を与えることができます。

むしろ、無理に会話を盛り上げたり、気分転換を提案したりすることが、本人にとって負担になることもあります。沈黙を恐れず、静かに寄り添う時間も大切です。

⑥安心できる環境を整える

うつ病の治療には十分な休養が欠かせません。本人が安心して休めるよう、家庭や職場でストレスを感じにくい環境を整えましょう。

  • 静かで落ち着ける空間を用意する
  • 家事や雑用の負担を減らす
  • テレビやスマホなど刺激の強いものから距離を置けるようにする
  • 本人のペースを尊重し、無理に予定を入れない

また、重要な決断(仕事を辞める・離婚するなど)は、うつ病の時期には避けるよう促しましょう。判断力が低下している時期の決断は、後悔を生むことが多いためです。

⑦「必ず治る」と信じて寄り添う

うつ病は適切な治療を続ければ回復が期待できる病気です。本人は「もう治らないのでは」と絶望していることが多いですが、周囲が「必ず治るから大丈夫」と信じて寄り添い続けることは、本人にとって大きな力になります。

焦らず、責めず、専門家の力も借りながら寄り添う -この姿勢が、回復への何よりの支えとなります。

関連:家族がうつ病になったら? 支える家族が知っておくべきポイント

言ってはいけないNGワードとその理由

良かれと思ってかけた言葉が、うつ病の人を深く傷つけてしまうことがあります。代表的なNGワードと、なぜそれが良くないのかを具体的に解説します。

「頑張って」「元気出して」

最もよく知られた禁句です。本人はすでに限界まで頑張っており、これ以上頑張れない状態にあります。「頑張れ」と言われることで「もっと頑張らなければならないのに、できない自分はダメだ」と自責感が強まります。

「気の持ちよう」「甘えている」

うつ病を心の弱さや気持ちの問題と捉える言葉です。うつ病は脳の病気であり、意志の力で治せるものではありません。この言葉は、本人の病気への理解がないことを示し、孤立感を深めます。

「みんな大変なんだから」

本人のつらさを他人と比較し、軽視する言葉です。「自分のつらさは取るに足らないものなんだ」「甘えてはいけない」と感じさせ、本音を話せなくなってしまいます。

「いつになったら治るの?」

回復を急かす言葉は、本人にとって大きなプレッシャーです。本人は誰よりも早く治りたいと願っており、思うように回復しない自分に苛立っています。そこに追い打ちをかけると、さらに自己否定が強まります。

「もっと○○すれば?」(アドバイス)

「運動すればいいよ」「趣味を見つければ?」「外に出たら気分転換になるよ」といったアドバイスも避けましょう。善意のつもりでも、本人は「そんなこともできない自分はダメだ」と感じてしまいます。

うつ病の人には、アドバイスよりも「聞くこと」のほうが大切です。

「私もそんな時があった」

共感のつもりで言う人が多いですが、「あなたの苦しみは大したことない」と受け取られることがあります。また、話題を自分の経験にすり替えてしまうことで、本人が気持ちを吐き出す場を奪ってしまいます。

共感したいなら、「あなたのつらさを聞かせて」と、相手の話にフォーカスしましょう。

NGワード・OKワード早見表

代表的な言い換えを表にまとめました。迷ったときの参考にしてください。

❌避けたいNGワード

⭕かけたい言葉

頑張って / 元気出して

ゆっくり休んでいいよ

気の持ちよう / 甘えている

つらいね、よく話してくれたね

みんな大変だから

あなたの大変さを理解したい

いつ治るの? / まだ治らないの?

焦らなくて大丈夫、一緒にいるよ

運動すれば? / 外に出たら?

今日はどう過ごしたい?

私も昔そんな時あったよ

あなたのつらさをもっと聞かせて

なんでそんなに落ち込むの?

何かできることがあれば言ってね

前はもっと元気だったのに

今のあなたのままで大丈夫だよ

かけてあげたい言葉

逆に、うつ病の人にとって心の支えになる言葉もあります。大切なのは、「味方であること」「責めていないこと」「焦らせていないこと」が伝わることです。

味方であることを伝える言葉

  • 「あなたの味方だよ」
  • 「一人で抱え込まなくていいよ」
  • 「いつでも話を聞くからね」
  • 「一緒に乗り越えていこう」

孤独感を和らげ、「一人じゃない」という安心感を与える言葉です。

ねぎらい・共感の言葉

  • 「大変だったね」
  • 「よく頑張ってきたね」
  • 「つらい思いをしてきたんだね」
  • 「話してくれてありがとう」

本人のこれまでの努力を認め、つらい気持ちに寄り添う言葉です。特に「話してくれてありがとう」は、本人が勇気を出して打ち明けてくれたときに最もふさわしい一言です。

安心感を与える言葉

  • 「焦らなくていいよ、ゆっくり治そう」
  • 「今のままで大丈夫だよ」
  • 「休むことも大切な治療だよ」
  • 「あなたは一人じゃないよ」

療養中の罪悪感や焦りを和らげる言葉です。

「何も言わずにそばにいる」選択肢

言葉が見つからないときは、無理に何かを言う必要はありません。ただ静かにそばにいるだけでも、本人にとっては大きな支えになります。沈黙を怖がらず、一緒に過ごす時間を大切にしましょう。

言葉よりも、「そばにいる」「否定しない」「待つ」という姿勢が何より雄弁に思いを伝えます。

【関係性別】うつ病の人への接し方

接し方の基本は同じですが、相手との関係性によって気をつけるポイントが少し異なります。場面別に解説します。

家族(配偶者・親・子)の場合

家族は最も近くで支える存在です。生活を共にしているため、本人の小さな変化に気づきやすい反面、お互いの感情がぶつかり合いやすい関係でもあります。

  • 家事の分担を見直し、本人の負担を減らす
  • 本人の生活リズム(起床・就寝・食事)を無理に整えすぎない
  • 主治医の診察に時々付き添い、家庭での様子を伝える
  • 家族内で感情を抱え込まず、他の家族や相談窓口に話を聞いてもらう
  • 兄弟姉妹や子どもがいる場合、病気について年齢に応じて説明する

家族が倒れてしまうと本人も回復しにくくなります。家族自身の休息も大切にしましょう。

恋人・パートナーの場合

恋人やパートナーは、家族ほど生活基盤を共にしていない分、距離感のバランスに悩むことが多い関係です。

  • 「病気だから別れたほうがいいのでは」と本人に言わせないよう、安心感を伝える
  • 過度に世話を焼きすぎず、適度な距離を保つ
  • デートや予定を無理強いしない。会うのがつらい日もあると理解する
  • 本人から連絡がない時期があっても、責めない
  • スキンシップや贈り物よりも、安心できる言葉や存在感を大切に

パートナー関係は繊細です。自分自身も限界まで疲弊しすぎないよう、友人や第三者に相談できる場を持つことも大切です。

友人の場合

友人として支えるときは、「特別扱いしない」「普段通り接する」ことが基本です。ただし、配慮は必要です。

  • 連絡の頻度は本人のペースに合わせる
  • 返信がなくても責めず、「いつでも連絡してね」と伝えておく
  • 会えるときは、静かに過ごせる場所を選ぶ
  • 本人の話を聞き、アドバイスはしない
  • しつこく心配しすぎず、でも忘れ去られていないことを伝える

「気にかけてくれている人がいる」と本人が感じられるだけで、大きな支えになります。

職場の上司・同僚の場合

職場でうつ病の同僚や部下をサポートする場合、病気への配慮と業務上の対応のバランスが必要です。

  • 業務量を調整し、無理のない範囲で仕事を任せる
  • 産業医や人事・会社の相談窓口と連携する
  • 休職の選択肢を本人に伝える(責めるニュアンスにならないように)
  • プライバシーを守り、他の同僚に病状を広めない
  • 復職後は段階的に業務を増やす(リワーク・時短勤務の活用)
  • 「いつでも相談してね」と伝えておく

上司の立場では、本人の努力や過去の成果を認める言葉も大切です。「前はできていたのに」という比較は絶対に避けましょう。

【回復ステージ別】接し方のポイント

うつ病の治療は、大きく「急性期」「回復期」「再発予防期」の3段階に分かれます。ステージによって接し方のポイントが変わります。

急性期(症状が重い時期)

急性期は、気分の落ち込み・意欲低下・不眠などの症状が最も強い時期です。この時期は、何よりも「休養」が最優先です。

  • 本人のペースを尊重し、無理に動かそうとしない
  • 家事や雑用の負担をできるだけ減らす
  • 静かで安心できる環境を整える
  • 受診や服薬のサポートをする
  • 気分転換や運動を無理に勧めない

この時期は「何もしないこと」も立派な治療です。動けない本人を責めず、ゆっくり休ませることに徹しましょう。

回復期(少しずつ良くなってくる時期)

回復期は、症状が少しずつ改善し、活動できる日も出てくる時期です。ただし波があり、良い日と悪い日が交互に訪れます。

  • 「今日はどう?」と体調を気にかける
  • できたことを認める(「今日散歩できたんだね」など)
  • 「急にまた悪くなった」と落ち込む本人に、「波があるのが普通だよ」と伝える
  • 無理な予定を入れず、本人の希望に合わせる
  • 復職・復学の時期を急がせない

回復期は油断しやすい時期でもあります。本人も周囲も「治った」と思って無理をすると、再発のリスクが高まります。

再発予防期(寛解後)

症状が落ち着き、日常生活に戻っていく時期です。再発を防ぐために、生活習慣の管理とストレス対策を続けることが大切になります。

  • 生活リズム(睡眠・食事・運動)の維持を一緒にサポート
  • 服薬・通院の継続を見守る
  • ストレスの原因から距離を取るよう促す
  • 小さな再発サインに気づいたら早めに声をかける
  • 本人の頑張りすぎを止める役割を担う

「もう大丈夫」と過信せず、再発の可能性を念頭に置いた関わりを続けましょう。

受診を嫌がる人への対応

無理強いしない

うつ病の方の多くは、「病気だと認めたくない」「精神科に行くのが怖い」「自分で何とかできる」と受診を拒むことがあります。無理に連れて行こうとすると、かえって関係が悪化したり、本人の抵抗が強まったりします。

説得よりも、まずは本人の気持ちを受け止めましょう。「行きたくないよね」「怖いよね」と共感することが、次の一歩につながります。

受診のきっかけの作り方

受診のハードルを下げるために、次のような提案が有効です。

  • 「眠れていないみたいだから、それだけでも相談してみない?」
  • 「頭痛がひどいから、一度体も診てもらおう」
  • 「心療内科は話を聞いてもらうだけでも行けるんだって」
  • 「一人で行くのが不安なら、私も一緒に行くよ」
  • 「うつ病じゃないって確認するためにも行ってみよう」

「精神科」「うつ病」という直接的な言葉にこだわらず、身体症状の相談として切り出すのが効果的です。また、最初は家族の同伴受診も安心材料になります。

家族だけで先に相談する方法

本人がどうしても受診を拒む場合、家族だけで先に相談できる場所があります。

  • 精神保健福祉センター(各都道府県・政令指定都市に設置)
  • 保健所
  • かかりつけの内科医
  • 会社の産業医・健康管理室
  • 精神科クリニックの家族相談

専門家からのアドバイスを受けることで、本人への声かけの仕方や受診につなげる方法が見えてきます。一人で抱え込まないでください。

自殺・希死念慮のサインと緊急時の対応

気をつけたいサイン

うつ病の重症化により、自殺のリスクが高まることがあります。以下のようなサインが見られたら要注意です。

  • 「死にたい」「消えたい」「生きていても意味がない」と口にする
  • 身辺整理を始める(大切なものを人にあげる、遺書めいたものを書く)
  • 急に穏やかになる(決意した後のように見える変化)
  • 自殺の方法について調べている
  • 家族への感謝を突然伝えてくる
  • 過去に自殺未遂歴がある

「死にたい」と言われたら

本人から「死にたい」という言葉を聞いたとき、驚きや動揺から「そんなこと言わないで」「大げさだよ」と返してしまいがちです。しかし、これは本人を追い詰める対応です。

正しい対応は、次のような言葉で受け止めることです。

  • 「話してくれてありがとう」
  • 「それほどつらいんだね」
  • 「一人で抱え込まないで、一緒に考えよう」
  • 「あなたに生きていてほしい」

その上で、その日のうちに主治医または精神科救急に連絡してください。本人を一人にせず、そばにいることも重要です。

緊急時の相談先

【すぐに助けが必要なとき】命に関わる危険がある場合は、ためらわず次の窓口に連絡してください。

  • 【よりそいホットライン】0120-279-338(24時間・無料)
  • 【いのちの電話】0570-783-556
  • 【まもろうよこころ(厚生労働省)】電話・LINE・チャット相談窓口あり
  • 【救急(119番)】命の危険があるとき
  • 【警察(110番)】暴力や差し迫った危険があるとき
  • 【精神科救急情報センター】各都道府県に設置(夜間・休日の相談可)

救急を呼ぶなんて」とためらう必要はありません命を守ることが何よりも優先されます。

支える側のセルフケア|共倒れを防ぐために

自分も疲れて当然

うつ病の人を支えることは、想像以上に心身のエネルギーを使います。毎日の気遣い、症状の波に一喜一憂する疲労、将来への不安——支える側が疲弊するのは当然のことです。

「自分がしっかりしなければ」「疲れたなんて言ってはいけない」と思い詰めてしまう方も多いですが、支える人が倒れてしまっては本末転倒です。あなた自身の心と体のケアも、同じくらい大切にしてください。

支える人が元気でいることは、本人の回復にとっても最大の支えになります。自分を犠牲にしないでください。

一人で抱え込まない

つらい気持ちや不安を、一人で抱え込まないことが何より大切です。信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、心の負担は大きく軽くなります。

  • 他の家族や親戚に状況を共有する
  • 信頼できる友人に話を聞いてもらう
  • 自分自身もカウンセリングを受ける
  • うつ病の家族会・サポートグループに参加する
  • 主治医に家族としての悩みを相談する

あなたが話せる場所を持つことは、決してわがままではありません。

家族会・相談窓口の活用

同じ境遇の人と繋がれる家族会や、専門家に相談できる窓口を活用しましょう。

  • 【精神保健福祉センター】各都道府県・政令指定都市に設置。家族相談に対応
  • 【保健所】地域の精神保健相談窓口
  • 【家族会(全国精神保健福祉会連合会「みんなねっと」など)】同じ悩みを持つ家族と繋がれる
  • 【こころの耳(厚生労働省)】働く人とその家族のためのメンタルヘルス情報サイト
  • 【よりそいホットライン】家族からの相談も可能

「自分の悩みなんて相談してもいいのかな」とためらわず、気軽に連絡してみてください。専門家は、家族の悩みこそ大切に扱ってくれます。

よくある質問(FAQ)

Q1. うつ病の家族にどこまで干渉していいかわかりません。

難しい問題ですが、基本は「本人のペースを尊重する」ことです。生活の基本(食事・睡眠・通院)が保たれるよう最低限のサポートをし、それ以外は本人の希望に任せるのがよいでしょう。「何か手伝えることある?」と聞いて、本人が「大丈夫」と言えば見守るで構いません。

Q2. 本人が「放っておいて」と言います。そのままでいいですか?

言葉通りに完全に放っておくのは危険です。「わかった、でも必要なときはいつでも言ってね」と伝え、距離を取りつつも見守る姿勢を保ちましょう。ただし、食事を何日も取らない、お風呂に入らない、連絡が全くつかないといった状態は、見守りのレベルを超えています。主治医に相談してください。

Q3. 私が落ち込んだ話を本人にしてもいいですか?

基本的には控えめにしましょう。うつ病の方は他人の悩みを聞くだけで疲れてしまうことが多いです。ただし、「自分も疲れている」ということを全く隠すのも不自然なので、「今日は少し疲れちゃった」程度の軽い共有ならOKです。自分のストレスは別の相手(友人・カウンセラー)に話すのがおすすめです。

Q4. うつ病の恋人と別れたほうがいいのか悩んでいます。

これは本人だけでなく、あなた自身の幸せにも関わる大切な問題です。大前提として、自分を犠牲にして関係を続ける必要はありません。ただし、うつ病の時期に重要な決断をすることは本人にも負担が大きいため、可能なら少し回復してから話し合うのが理想です。自分が限界なら、カウンセラーや信頼できる人に相談しながら判断してください。

Q5. 職場でうつ病の部下にどう声をかければいいですか?

「最近大変そうだけど、無理してない?」「何か困っていることがあれば話してほしい」など、心配していることをさりげなく伝えましょう。業務面では「無理せず、必要なら休んでいいよ」と伝え、産業医や人事と連携して対応します。他の同僚に病状を広めないこと、復職後も段階的に業務を戻すことが重要です。

Q6. 何度も同じ話(愚痴・不安)を聞かされて、正直疲れました。

とても正直な気持ちですね。繰り返し同じ話を聞くのは本当に疲れます。それはあなたが冷たいのではなく、人間として自然な反応です。そんなときは、「少し一人の時間が欲しい」と本人に伝える、物理的に距離を取る、他の人にも聞き役を分担してもらう、自分自身がカウンセリングを受けるなど、負担を減らす工夫をしましょう。あなたが壊れてしまっては元も子もありません。

まとめ

うつ病の人への接し方で大切なのは、特別なテクニックではなく、「理解しようとする姿勢」と「焦らず寄り添う気持ち」です。

大切なポイントをおさらいします。

  • うつ病は脳の病気であり、本人の意志や性格の問題ではない
  • 基本は「傾聴・共感・見守り」の3つ
  • 「頑張れ」「気の持ちよう」などの励ましは禁句
  • 「つらかったね」「ゆっくり休もう」といった労いの言葉を選ぶ
  • 関係性(家族・恋人・友人・職場)に応じた適切な距離感を保つ
  • 回復ステージによって接し方を調整する
  • 受診を拒む場合は無理強いせず、家族だけで先に相談もできる
  • 希死念慮のサインには敏感に反応し、緊急時は専門機関へ
  • 支える側のセルフケアも忘れずに

完璧な接し方なんて、誰にもできません。大切なのは「寄り添おうとする心」そのものです。たとえ言葉を間違えてしまっても、思いは必ず本人に伝わります。焦らず、自分を責めず、一緒に回復の道を歩んでいきましょう。

そして忘れないでください——あなた自身もかけがえのない存在です。無理をせず、自分のペースで、支え合っていけばそれで十分なのです。

うつ病でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者

院長 根木 淳

愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手金融機関に勤務。2005年、秋田大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部精神科に入局。八事病院、三重県立子ども心身発達医療センターなどで研鑽を積む。京都大学医学部大学院とfMRIによる精神症状の脳機能の共同研究を経て慶應義塾大学大学院精神・神経科に入局。東京大学工学系研究科と連携して自動車運転の認知機能と安全性についての研究を行う。大学病院での診療、戸田病院、秋元病院、ガーデンクリニックなどでの診療業務に併行して、外資系及び国内大手IT企業、外資系大手コンサルティングファーム、テレビ・インターネット通販企業、都市銀行、国内大手証券会社、総合商社、特許翻訳・知財コンサル系企業、建設コンサルタント企業、広告代理店、大手旅行代理店、独立行政法人(公的法務支援機関)、大手不動産、大手企業信用調査会社、グローバルEC系企業、大手アパレル企業、国内最大手スーパーなど、都心大企業を中心に50社以上の産業医として企業のメンタルヘルスに従事。令和2年5月、北越谷駅前さくらメンタルクリニック院長に就任。併行して産業医業務に従事している。 【資格・所属学会など】 日本精神神経学会専門医・指導医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 日本老年精神医学会専門医・指導医

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