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今、うつ病がつらくてこのページにたどり着いたあなたへ。まず、よくぞここまで頑張ってきましたね。検索するエネルギーを振り絞ることさえ、今のあなたには大変なことだったはずです。
朝起きるのがつらい、夜眠れない、何もできない自分が情けない、ただただ消えてしまいたい——そんな気持ちを抱えて、「このつらさがいつまで続くのだろう」と出口のない暗闇にいるように感じているかもしれません。
まず、お伝えしたいことがあります。そのつらさはあなたの弱さや甘えのせいではなく、うつ病という脳の病気によるものです。そして、今この瞬間のつらさは、ずっと続くものではありません。適切な治療と休養で少しずつ、つらさが和らいでいく方も多くいます。
この記事では、うつ病の「今つらい」あなたに向けて、つらさの種類別の対処法、過ごし方のヒント10選、やってはいけないこと、希死念慮への対応まで、精神科医の視点から実践的にお伝えします。全部を読む必要はありません。目次から、今のあなたに必要なところだけ拾い読みしてください。
今うつ病でつらいあなたへ|まず知ってほしいこと
そのつらさは病気の症状であり、あなたのせいではない
うつ病になると、「自分が悪い」「自分が弱いからこうなった」と責めてしまいがちです。しかし、うつ病は脳の働きやストレス反応などが複雑に関係して起こります。「生きるエネルギーが全部抜けてしまった感じ」「全身に100キロの重りがついている感じ」——うつ病のつらさを表現する言葉は、どれも病気の症状を的確に表しています。これは気の持ちようではなく、心や脳の働きに大きな負荷がかかっている状態なのです。
だからこそ、「もっと頑張らなければ」「気合が足りない」と自分を追い込むのはやめてください。骨折している人に走れと言わないのと同じです。今のあなたに必要なのは、自分を責めることではなく、休ませてあげることです。
つらい時期は和らいでいく
今、出口のないトンネルの中にいるように感じているかもしれません。「このつらさが永遠に続くのではないか」「もう二度と元の自分には戻れないのではないか」——そんな絶望感に襲われているかもしれません。
しかし、うつ病のつらい時期は、適切な治療や休養によって少しずつ和らいでいくことが期待できます。これは気休めではなく、医学的な事実です。回復には時間がかかることもありますが、必ず光は見えてきます。
一人で抱え込まなくていい
「誰にもわかってもらえない」「家族に迷惑をかけたくない」「恥ずかしくて言えない」——そんな気持ちで一人で抱え込んでいませんか。
うつ病は、一人で治そうとしないでほしい病気です。主治医、家族、友人、支援機関、相談窓口——あなたを支えてくれる存在はたくさんあります。「頼ること」は弱さではなく、回復への賢明な一歩です。
今、誰にも話せない状態なら、この記事を読み進めるだけでも十分です。少しずつ、自分のペースで進めましょう。
関連記事:うつ病は完治する?回復までの期間と再発を防ぐ具体的な方法
うつ病がつらく感じる原因

「なぜこんなにつらいのか」という疑問に、いくつかの医学的な答えがあります。原因を知ることで、少しだけ気持ちが落ち着くこともあります。
脳のエネルギーが枯渇している
うつ病は、脳のエネルギーが枯渇している状態です。車に例えると、長く走り続けてエンジンがオーバーヒートしてしまい、煙を出しているような状態です。このような車はエンジンが冷えるまで休ませる必要があります。
うつ病の方が「何もできない」「体が動かない」と感じるのは、脳が限界まで消耗し、指令を出す余力すらなくなっているからです。決して怠けているのではありません。
日内変動で朝や夜がつらくなる
うつ病には「日内変動」という特徴があります。一般的に、朝に最もつらく、夕方にかけて少し楽になる傾向があります。朝起きた瞬間の絶望感、午前中の重苦しさは、多くのうつ病の方が経験する症状です。
ただし、すべての方がこのパターンではありません。非定型うつ病と呼ばれるタイプでは、逆に夕方〜夜にかけて気分が落ち込むことがあります。また、午前中は元気でも、夕方以降に「今日も何もできなかった」と自己嫌悪に陥るパターンもあります。
日内変動を知っておくと、「朝のつらさは病気の症状であり、一日の中で必ず軽くなる時間がくる」と理解でき、少し安心できるかもしれません。
抗うつ薬の副作用でつらい時期がある
抗うつ薬を飲み始めた直後、一時的にかえってつらくなることがあります。薬の効果が現れるまで2〜4週間かかるのに対し、副作用(吐き気・眠気・だるさ・頭痛など)は服用直後から出るためです。
多くの場合、1〜2週間ほど続けると体が慣れて副作用は軽減します。つらくて「薬が合わないのでは」と感じたら、自己判断で中止せず必ず医師に相談してください。薬の種類や量の調整で改善することが多くあります。
強いストレスが続いている
仕事・人間関係・家庭の事情など、継続的なストレスを抱えているとうつ病のつらさは悪化しやすくなります。ストレスは抗うつ薬の効果も減弱させることが知られています。
つらさを根本から軽くするためには、ストレス源から一時的に離れることが重要です。休職・休学・環境調整など、できる範囲での対策を主治医と相談してみましょう。
自分を責める気持ちが強くなっている
うつ病の症状の一つに「認知の歪み」があります。物事を悲観的に捉え、自分を必要以上に責めてしまう思考パターンです。
- 「自分は誰の役にも立たない」
- 「みんなに迷惑をかけている」
- 「自分さえいなければ」
このような考えが浮かぶのは、うつ病の症状であり事実ではありません。健康な判断力が戻ってくると、こうした考えも自然と薄れていきます。
【症状別】うつ病のつらさへの対処法
うつ病のつらさにはさまざまなタイプがあります。下の表で自分のつらさに当てはまるものを確認し、該当部分を読んでみてください。
|
つらさのタイプ |
特徴 |
まず試したい対処 |
|---|---|---|
|
朝のつらさ |
起きられない・絶望感 |
カーテンを開けて光を浴びる |
|
夜のつらさ |
眠れない・不安が強まる |
寝る前のスマホを減らす |
|
何もできないつらさ |
行動できず自責感 |
「今日は休む日」と許可する |
|
希死念慮 |
「消えたい」気持ち |
主治医・相談窓口に連絡 |
|
薬の副作用 |
吐き気・眠気・だるさ |
自己判断で中止せず医師に相談 |
|
焦り・不安 |
落ち着かない・そわそわ |
深呼吸・一時的に頓服薬 |
|
食欲不振 |
食事が入らない・痩せる |
少量を数回に分けて摂る |
朝起きるのがつらい・絶望感がある
朝の絶望感は、うつ病の最もつらい症状の一つです。「このまま永遠に起きられないのではないか」と感じるほど、体も心も重く感じます。
対処のヒント:
- まずはカーテンを開け、寝たままでいいので光を浴びる(体内時計のリセットに役立ちます)
- 起き上がれなくても自分を責めない。今日は「休む日」と決めていい
- 症状がつらすぎる時期は、仕事や学校を休むことも大切な選択
- 「朝の気分で一日が決まる」わけではない。夕方には楽になる可能性が高い
- 毎朝つらさが続く場合は必ず主治医に伝え、薬の調整を相談
夜眠れない・眠りが浅い
不眠はうつ病の代表的な症状です。眠れないことへの不安がさらに眠りを妨げ、悪循環に陥ることもあります。
対処のヒント:
- 眠れないときは無理に寝ようとせず、一度寝床から離れて落ち着ける活動を
- 就寝1時間前からはスマホ・パソコンのブルーライトを避ける
- 寝る前のカフェイン・アルコールは控える(アルコールは眠りを浅くします)
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
- 睡眠薬が処方されている場合は指示通り服用する(我慢しない)
- 眠れない夜があっても「数日単位で見れば何とか休めている」と考える
何もできない自分が情けない
「布団から出られない」「お風呂にも入れない」「家事も仕事もできない」——これまで当たり前にできていたことができなくなり、自分を責めてしまう方は多いです。
対処のヒント:
- 「今日は何もできなかった」ではなく「今日も生きのびた」と捉え直す
- 生きていることそれ自体が、今のあなたの大仕事
- できなかったことを数えず、少しでもできたことを探す(「歯を磨けた」「水を飲めた」等)
- 回復期には少しずつできることが増えてくる、と信じる
- 完璧主義を手放し、「6割できれば十分」と基準を下げる
「何もできない」ことは、うつ病の症状そのものです。本人の人間性や能力の問題ではありません。今は回復に専念することが最優先の「やるべきこと」なのです。
「死にたい」気持ちが強い
「消えてしまいたい」「いなくなりたい」「楽になりたい」——こうした気持ちは、うつ病の重い症状の一つです。この気持ちは、あなたの本心ではなく、病気の症状として湧き上がっているものです。
対処のヒント:
- 「死にたいほどつらい状態が続いている」と受け止め、一人で抱え込まない
- 一人でいる時間を減らし、家族や信頼できる人のそばにいる
- 主治医に必ず伝える(恥ずかしいことではありません)
- 衝動的な行動をとる恐れがあれば、危険なもの(薬の大量保管・鋭利なもの)を遠ざける
- つらい時は躊躇なく24時間相談窓口を活用する
詳しくは後の「死にたいほどつらいときの対応」の章で解説します。
抗うつ薬の副作用がつらい
薬を飲み始めた直後、吐き気・眠気・だるさ・頭痛・口の乾きなどの副作用でつらくなることがあります。「この薬は合わない」と感じるかもしれません。
対処のヒント:
- 副作用の多くは1〜2週間で軽減する。いきなりやめず、まず様子を見る
- つらさが強い場合は必ず主治医に相談(薬の種類・量の調整が可能)
- 自己判断での中止は離脱症状を起こすため危険
- 吐き気には食後服用・少量の水分補給が有効な場合も
- 新規抗うつ薬(SSRI・SNRI・NaSSA)は古い薬より副作用が少ない
焦りや不安で落ち着かない
「何かしなければ」「このままではダメになる」という焦燥感で、じっとしていられない状態も、うつ病のつらい症状の一つです。
対処のヒント:
- 深呼吸をゆっくり繰り返す(吸う4秒・吐く8秒)
- 頓服の抗不安薬が処方されている場合は指示通り使う
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
- 軽くストレッチをする
- 「焦りは病気の症状」と自分に言い聞かせる
- 今日やることを1つだけに絞る
食欲がない・食事が取れない
食欲不振もうつ病の代表的な症状です。食べられない自分を責めてしまうと、さらに悪循環に陥ります。
対処のヒント:
- 1日3食にこだわらず、少量を数回に分けて摂る
- のどを通りやすいもの(ゼリー・スープ・バナナ・ヨーグルト)から
- 栄養補助食品(プロテイン・栄養ドリンク)も活用
- 「一口でも食べられた」で十分と考える
- 体重が急に減る・水分も取れない状態が続く場合は医師に相談
関連記事:うつ病の過食になる理由とは?食欲コントロールと心の回復を目指す方法
うつ病がつらいときの過ごし方10選

「何もできない」と感じていても、ほんの少しできることがあります。無理にすべてやろうとせず、「これならできそう」と思えるものを一つだけ選んでみてください。
①何もしない日を許す
うつ病がつらいときは、「何もしない日」を積極的に自分に許可してください。ただ横になっているだけでも、呼吸しているだけでも、それは立派な「治療」です。
「今日は何もできなかった」ではなく「今日はしっかり休んだ」と言い換えてみましょう。休むこと自体が、回復に必要な時間です。
②朝の光を浴びる
起き上がれなくても、カーテンを開けて光を部屋に入れるだけで、体内時計のリセットに役立ちます。朝日を15分程度浴びると、セロトニンの分泌が促され、気分が少し安定することがあります。
窓辺に座る、ベランダに出るなど、できる範囲から試してみてください。無理のない範囲で大丈夫です。
③食事を少しだけでもとる
食欲がなくても、少量の栄養補給は大切です。特にセロトニンの材料となるトリプトファン(豆類・乳製品・バナナ・穀物に多い)を意識して摂れるとよいでしょう。
完璧な食事を目指さなくていいです。コンビニのおにぎり1個、ヨーグルト1つ、ゼリー1つでも十分です。
④軽い散歩をする
外出するのがつらい時期は無理しなくてOKですが、少し動けるときは5分程度の散歩を試してみましょう。運動は気分転換や不安の軽減につながることがあります。
玄関を出て家の前を往復するだけでも効果があります。「全然動けない日」があってもいいので、体調のよい時だけで大丈夫です。
⑤好きな音楽や香りに触れる
音楽療法やアロマは、うつ病のつらさを和らげる補助的な手段です。無理に元気な曲を聴く必要はなく、今の気分に合った静かな曲でも構いません。
ラベンダー・ベルガモット・柑橘系の香りはリラックス効果があるとされます。アロマがなくても、好きな紅茶やハーブティーの香りでも同様の効果が期待できます。
⑥スマホ・SNSから距離を置く
SNSで他人のキラキラした投稿を見ると、「自分はなぜこんなに何もできないのか」と比較してさらに落ち込んでしまいます。つらい時期はSNSから距離を置くことをおすすめします。
スマホ自体から少し離れる時間を作ると、脳の疲労が和らぎます。通知を切る・アプリを一時削除するなども効果的です。
⑦信頼できる人に話す
一人で抱え込むほど、つらさは重くなります。信頼できる人(家族・友人・主治医・カウンセラー・支援機関)に話すだけで、気持ちが少し軽くなります。
「迷惑をかけたくない」と思うかもしれませんが、あなたのことを大切に思う人は、話してほしいと思っているはずです。具体的なアドバイスは不要で、ただ聞いてもらうだけで十分です。
⑧完璧主義を手放す
うつ病になる方には、真面目で責任感が強く、完璧を求める傾向がある方が多いです。その性格があなたを追い詰めてしまっているかもしれません。
「100点じゃなくていい、30点でも生きていればOK」と自分に言い聞かせてみてください。今は治療に専念する時期であり、何かを成し遂げる時期ではありません。
⑨日記で気持ちを書き出す
頭の中でぐるぐる回っているつらい考えを、紙やスマホのメモに書き出してみましょう。感情を「言語化」することで、気持ちの整理と負担の軽減につながります。
うまく書く必要はありません。「つらい」「消えたい」「わけもなく涙が出る」——そのままの気持ちを吐き出すだけで十分です。誰にも見せる必要はありません。
⑩自分に優しい言葉をかける
親しい友人がうつ病でつらい状態だったら、あなたはどんな言葉をかけますか。「頑張ったね」「よく乗り越えてきたね」「つらかったね」——そんな言葉をかけるはずです。
その言葉を、ぜひ自分自身にもかけてあげてください。自分への思いやり(セルフコンパッション)は、うつ病の回復を支える考え方として注目されています。
回復ステージ別のつらさと向き合い方
うつ病の回復は一直線ではありません。ステージによってつらさの性質が変わり、対処法も変わってきます。
急性期|絶望感が最も強い時期
発症から約3ヶ月の急性期は、症状が最も強く、絶望感が最大の時期です。「このまま一生治らないのでは」と感じることもあります。
この時期の向き合い方:
- とにかく休養を最優先に。何もしないことが治療
- 仕事・学校は休む勇気を持つ
- 重要な決断は先延ばしにする
- 主治医の指示どおりに服薬・通院を続ける
- 食事・睡眠の基本を維持する(完璧でなくていい)
回復期|良くなったり悪くなったりを繰り返す
回復期は、急性期の強い症状が少しずつ和らいでくる時期です。ただし、症状に波があり、「昨日は少し楽だったのに今日はまたつらい」ということを繰り返します。
この時期の向き合い方:
- 波があるのは当たり前。「戻った」と落ち込まない
- できる範囲で少しずつ活動を増やす(無理は禁物)
- 「今日はできた」より「1週間を通してどうか」で見る
- 焦って元の生活に戻そうとしない
- 服薬を勝手にやめない
再発予防期|「また戻るかも」という不安
症状がほぼ消え、日常生活を取り戻す時期です。しかし「またつらくなるのでは」という不安が出ることもあります。
この時期の向き合い方:
- 服薬と通院を継続する(再発予防のため)
- 生活リズム・ストレス管理を意識する
- 小さな不調のサインを見逃さない
- 再発しても適切に対処すれば大丈夫、と知っておく
- 自分なりのストレス対処法を持っておく
つらいとき、やってはいけないこと

つらさから逃れたい一心でやってしまいがちですが、かえって症状を悪化させる行動があります。
自己判断で薬をやめる
「副作用がつらいから」「効かない気がするから」と自己判断で薬をやめるのは最も避けたい行動です。離脱症状(めまい・頭痛・不安の増強など)が出るほか、症状が急激に悪化する恐れがあります。
つらさがあれば必ず主治医に相談してください。薬の種類変更・減薬・他の薬との併用など、調整する方法はたくさんあります。
重要な決断をする(退職・離婚など)
うつ病の急性期には、物事を冷静に判断しづらくなることがあります。この時期にした「退職」「離婚」「引っ越し」などの大きな決断は、回復後に深く後悔することが非常に多いです。
「今すぐすべてを変えたい」という衝動はうつ病の症状です。重大な決断は、判断力が戻ってから、主治医や家族と相談して行いましょう。
我慢して頑張り続ける
「みんな頑張っているから」「迷惑をかけたくないから」と無理を続けることで、症状が悪化することがあります。
休むことは甘えではなく、治療です。傷病手当金・有給休暇・休職制度などを活用して、しっかり休む勇気を持ってください。
アルコールに逃げる
アルコールは一時的にリラックス効果があるように感じますが、実際にはうつ病を悪化させます。睡眠の質を下げ、抗うつ薬の効果を減弱させ、依存症のリスクも高めます。
つらい気持ちをアルコールで紛らわすのはやめましょう。代わりに、温かい飲み物・深呼吸・主治医への相談を選んでください。
「死にたい」ほどつらいときの対応
希死念慮はうつ病の症状
「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちは、うつ病の重い症状として現れることがあります。この気持ちは、あなた本人の本心ではなく、病気が作り出している思考です。
健康な状態なら選択肢はたくさん見えるはずなのに、うつ病になると「死ぬしかない」と思い込んでしまう——これは「心理的視野狭窄」と呼ばれる症状です。回復すれば、この視野は広がります。
まず主治医に伝える
「死にたい気持ちがある」と主治医に伝えるのは、恥ずかしいことでも悪いことでもありません。むしろ、的確な治療のために必要な情報です。医師は責めることなく、症状の一つとして受け止め、薬の調整や必要な対応を考えてくれます。
伝えにくい場合は、「消えたい気持ちがあります」「楽になりたいと思うことがあります」といった言い方でも構いません。医師には必ず伝わります。
緊急時の相談先(24時間)
【今すぐ助けが必要なとき】ためらわず、次の窓口に連絡してください。早めの相談が命を救います。
- 【よりそいホットライン】0120-279-338(24時間・無料・年中無休)
- 【いのちの電話】0570-783-556
- 【まもろうよこころ(厚生労働省)】電話・LINE・チャット相談窓口あり
- 【精神科救急情報センター】各都道府県に設置(夜間・休日対応)
- 【救急(119番)】命の危険が切迫しているとき
「こんなことで電話していいのか」と迷うかもしれませんが、相談員は責めません。あなたの話を聞き、一緒に次の一歩を考えてくれます。
家族・周囲ができるサポート
この記事は、うつ病でつらい本人だけでなく、支える家族・友人の方が読んでくださっているかもしれません。周囲にできることをお伝えします。
話を聞くことが何よりの支え
うつ病の方へのサポートで最も大切なのは、「ただ話を聞く」ことです。アドバイスや励ましは必要ありません。「つらいね」「よく話してくれたね」と受け止めるだけで、本人は救われます。
- 話を遮らない
- 否定しない
- 解決策を提案しない
- ただ、そばにいる
急かさず・責めず・見守る
回復には時間がかかります。「いつ治るの?」「早く元気になって」という言葉は本人を追い詰めます。
代わりにかけたい言葉:
- 「焦らなくていいよ」
- 「ゆっくり休んでいいからね」
- 「一緒にいるよ」
- 「あなたの味方だよ」
専門家に繋げる
本人が受診をためらっている場合は、無理強いせず、「眠れないなら一度相談してみよう」「体調不良でいいから病院に行ってみよう」と、ハードルを下げた声かけを試みてください。
家族だけで先に精神保健福祉センター・保健所・主治医に相談することもできます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りましょう。
また、支える側の疲労も深刻になりがちです。家族自身のセルフケアも忘れず、必要なら家族会やカウンセリングを活用してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. うつ病がつらいのはいつまで続きますか?
個人差がありますが、急性期は数週間〜3ヶ月程度、そこから回復期に入り、寛解までは半年〜1年以上かかることもあります。治療を続ければ少しずつ症状は軽くなっていきます。「今のつらさがいつまでも続く」ことはありません。波があるのが自然なので、焦らず治療を続けてください。
Q2. つらくて何もできない自分が情けないです。
その気持ちこそ、うつ病の症状です。「何もできない」のは、脳のエネルギーが枯渇しているからで、人間性の問題ではありません。健康な人が骨折したら走れないのと同じです。今は「回復すること」が最大の仕事です。自分を責めず、休むことを許してください。
Q3. 薬を飲んでいるのに全然良くなりません。
抗うつ薬の効果が現れるまで2〜4週間、十分な効果を感じるまで1〜2ヶ月かかることもあります。もし6〜8週間試しても効果を感じない場合は、薬の種類変更や用量調整が必要なので主治医に相談してください。自己判断で中止しないことが重要です。
Q4. 死にたい気持ちがあります。病院に行くべきですか?
はい、できるだけ早く受診してください。希死念慮は「今すぐの介入が必要」という体と心からのサインです。緊急性が高い場合は、精神科救急や相談窓口(よりそいホットライン0120-279-338、24時間対応)にすぐに連絡してください。一人で抱え込まないでください。
Q5. 家族にうつ病のつらさを理解してもらえません。
とてもつらいことですね。家族にうつ病を理解してもらえないことは、回復の大きな妨げになります。主治医に相談し、家族と一緒に受診する機会を作ると、医師から病気について説明してもらえます。また、信頼できる人を一人でも見つけることで支えになります。自分を理解してくれない家族と距離を取る選択も時には必要です。
Q6. つらくて仕事ができません。でも休めない状況です。
「休めない」と感じるのはうつ病の症状による視野狭窄の可能性があります。実際には、傷病手当金(給与の約2/3を最長1年6ヶ月)や有給休暇などの制度があり、経済的な補償を受けながら休むことができます。まずは主治医に診断書をもらい、会社の人事・産業医に相談してみてください。休む選択は甘えではなく、治療です。
Q7. つらくて外出も電話もできません。どうやって受診すればいいですか?
家族に付き添いを頼む、オンライン診療を活用する、という方法があります。近年はオンライン診療に対応する心療内科・精神科が増えており、自宅からスマホやパソコンで診察・処方が受けられます。家族が同伴して代理で受診(代診)することも一部で可能です。一人で動けなくても、利用できる方法はあります。諦めないでください。
まとめ
うつ病の「つらい今」を乗り切るために、大切なポイントをおさらいします。
- つらさは病気の症状。あなたのせいではない
- つらい時期は必ず終わる。今だけが人生ではない
- 症状別に適した対処法がある(朝のつらさ/不眠/何もできない等)
- 「何もしない日」を自分に許す勇気を持つ
- 完璧主義を手放し、「生きているだけで十分」と考える
- 自己判断で薬をやめない、重要な決断は先延ばしに
- 「死にたい」気持ちは症状。主治医・相談窓口に伝える
- 家族・友人・専門家の力を借りる
このページを読み終えたあなたへ。うつ病のつらさの中で、ここまで読み進められたこと自体、とても大切な一歩です。
回復には時間がかかります。一歩進んで二歩下がる日もあるでしょう。それでも、少しずつ光は戻ってきます。今この瞬間の絶望感がどれほど深くても、それはあなたの一生を支配するものではありません。
どうか今夜、少しでも眠れますように。明日の朝、ほんの少しでも楽に目を覚ませますように。あなたが穏やかな日々を取り戻せることを、心から願っています。
うつ病でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者
院長 根木 淳
愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、大手金融機関に勤務。2005年、秋田大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部精神科に入局。八事病院、三重県立子ども心身発達医療センターなどで研鑽を積む。京都大学医学部大学院とfMRIによる精神症状の脳機能の共同研究を経て慶應義塾大学大学院精神・神経科に入局。東京大学工学系研究科と連携して自動車運転の認知機能と安全性についての研究を行う。大学病院での診療、戸田病院、秋元病院、ガーデンクリニックなどでの診療業務に併行して、外資系及び国内大手IT企業、外資系大手コンサルティングファーム、テレビ・インターネット通販企業、都市銀行、国内大手証券会社、総合商社、特許翻訳・知財コンサル系企業、建設コンサルタント企業、広告代理店、大手旅行代理店、独立行政法人(公的法務支援機関)、大手不動産、大手企業信用調査会社、グローバルEC系企業、大手アパレル企業、国内最大手スーパーなど、都心大企業を中心に50社以上の産業医として企業のメンタルヘルスに従事。令和2年5月、北越谷駅前さくらメンタルクリニック院長に就任。併行して産業医業務に従事している。 【資格・所属学会など】 日本精神神経学会専門医・指導医 精神保健指定医 日本医師会認定産業医 日本老年精神医学会専門医・指導医