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2026.07.09 依存症

ゲーム依存症で病院に行くべき?受診の目安・診療科・治療の流れを解説

「ゲームがやめられない」「子どもが昼夜逆転して学校に行けなくなった」――そんな状態が続いていても、「ゲーム依存症で病院に行くべきなのか」と判断に迷う方は少なくありません。ゲーム依存症は、2019年にWHO(世界保健機関)がICD-11で「ゲーム行動症(Gaming Disorder)」として正式に疾患として認定した病気であり、単なる「ゲームの遊びすぎ」とは区別されます。適切な治療を受けることで、改善が期待できるケースも少なくありません。この記事では、ゲーム依存症の症状や原因、病院に行くべきタイミング、受診すべき診療科、治療の流れまでをわかりやすく解説します。

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ゲーム依存症とは?WHOが認めた正式な疾患

ゲーム依存症で病院に行くべきかを判断するためには、まず「ゲーム依存症とはどのような病気なのか」を正しく理解することが大切です。

ゲーム行動症(Gaming Disorder)の定義

ゲーム依存症は、医学的には「ゲーム行動症」と呼ばれ、WHOのICD-11(国際疾病分類第11版)において精神疾患の一つとして正式に分類されました。その診断基準では、ゲームのプレイに対するコントロールが困難になっていること、他の活動よりもゲームが優先されていること、問題が生じていてもゲームを継続またはエスカレートさせていること、そしてこれらの状態が個人や家庭、学業、仕事などに著しい支障をもたらしていることの4点が示されています。

原則として、これらの状態が12か月以上にわたって認められる場合に診断が検討されますが、すべての要件を満たし症状が重篤な場合は、より短い期間でも診断されることがあります。

「ゲームの遊びすぎ」と依存症の違い

ゲームを長時間プレイすること自体が、直ちにゲーム依存症を意味するわけではありません。依存症と呼ばれる状態のポイントは、「自分の意志ではコントロールできなくなっている」「やめたいのにやめられない」「日常生活に明らかな支障が出ている」という点にあります。

楽しみとしてゲームを楽しんでいる段階と、ゲームに支配されてしまう段階は異なります。ゲームのために学校や仕事を休む、睡眠や食事がおろそかになる、家族との関係が悪化する、ゲームを制限しようとすると激しい怒りや暴力が出るといった状態は、依存症の可能性を示すサインといえるでしょう。

ゲーム依存症の主な症状と影響

ゲーム依存症で病院に行くべきかを考える際には、以下のような症状が出ていないか確認してみてください。

ゲーム依存症に見られる代表的な症状

ゲーム依存症の症状は多岐にわたりますが、代表的なものとしては、ゲームのプレイ時間が長時間化し自分で制御できない、ゲームに関すること以外への興味や関心が著しく低下する、ゲームを取り上げられるとイライラや不安、落ち込みなどの離脱症状が現れる、学業や仕事の成績が低下する、不登校や引きこもりの状態になる、昼夜逆転の生活リズムになるといったものが挙げられます。

また、ゲームへの課金がエスカレートして経済的な問題を抱えるケースや、家族のクレジットカードを無断で使用するといった行動面の問題が生じることもあります。

心身の健康への影響

ゲーム依存症が続くと、心身の健康にもさまざまな影響が及ぶ可能性があります。長時間の画面注視による眼精疲労、運動不足による体力の低下、不規則な食生活による栄養の偏り、昼夜逆転による睡眠障害などが典型的です。精神面では、うつ状態や不安症状を併発する方も少なくないとされています。

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合併しやすい精神疾患

ゲーム依存症は、他の精神疾患と合併しやすいことが知られています。特にADHD(注意欠如・多動症)のある方は衝動性の高さからゲームを途中でやめることが難しく、依存状態に陥りやすい傾向があるとされています。また、ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、ゲームの世界のような構造化された環境に強い没入感を覚えやすいことが指摘されています。

そのほか、うつ病や不安障害、社交不安障害(対人関係への不安からゲームの世界に逃避するケース)なども合併しやすい疾患です。こうした合併疾患がある場合は、ゲーム依存症と並行してその治療を行うことが、改善への重要なポイントとなります。

ゲーム依存症の原因

ゲーム依存症が生じる背景には、複数の要因が絡み合っていると考えられています。

脳の報酬系の働き

ゲームをプレイすると、脳内でドーパミンという快楽物質が分泌されます。目標を達成したときの達成感、ランクが上がったときの高揚感、レアアイテムを入手したときの興奮――これらはすべてドーパミンの分泌と関係しています。ゲーム依存症では、このドーパミンの報酬回路が過剰に刺激され続けることで、ゲーム以外の活動では満足感を得にくくなり、より強い刺激を求めてゲームに没頭するという悪循環が形成される可能性があります。

環境的・心理的要因

学校や職場での人間関係の困難、いじめ、学業不振、家庭内の不和といったストレスからの「逃避」として、ゲームの世界にのめり込むケースも少なくありません。ゲームの中では現実では得られない達成感や居場所を見つけられるため、現実世界での困難から目を背ける手段として機能してしまうことがあります。

また、オンラインゲームにおける仲間とのつながりが唯一の社会的な接点となっている場合、ゲームをやめることが人間関係の喪失につながるため、やめることへの恐怖がさらに依存を強める要因となる場合もあります。

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ゲーム依存症で病院に行くべきタイミング

ゲーム依存症で病院に行くべきかどうか迷っている方のために、受診を検討すべきタイミングの目安をお伝えします。

受診を検討すべきサイン

以下のような状態が見られる場合は、ゲーム依存症で病院に行くべきタイミングが来ている可能性があります。ゲームのために学校や仕事を繰り返し休んでいる、昼夜逆転の生活が定着して元に戻せない、食事や入浴など基本的な生活習慣が乱れている、ゲームの使用を制限しようとすると暴言や暴力が出る、家族との関係が著しく悪化している、課金が制御できなくなっているなどです。

特に、ご家族がゲームの制限を求めているにもかかわらず、ゲームを続けられる環境を与え続けている状態(イネイブリング)が長期化している場合は、専門家の介入が必要な段階にあるといえるかもしれません。本人が受診を拒否する場合は、まずご家族だけでも相談できる医療機関を探してみることをおすすめします。

本人に病識がない場合の対応

ゲーム依存症の特徴として、本人が「自分は依存症だ」という認識(病識)を持ちにくいことが挙げられます。「ゲームをやりすぎているだけ」「やめようと思えばいつでもやめられる」と考えているケースが多く、病院への受診を拒否する場合も珍しくありません。

こうした場合、無理やり受診させようとすると関係がさらに悪化するおそれがあります。まずは家族が依存症についての正しい知識を身につけ、本人への効果的な声かけの方法を学ぶ「家族向けプログラム(CRAFTなど)」を活用することで、本人の受診につなげられるケースもあるとされています。

ゲーム依存症は何科を受診すればよい?

ゲーム依存症で病院に行くべきと判断した場合、まず迷うのが「何科を受診すればよいか」という点ではないでしょうか。

精神科・心療内科が基本の受診先

ゲーム依存症は精神疾患に分類されるため、受診先としては精神科または心療内科が基本となります。近年では「ネット依存外来」「ゲーム依存外来」など、ゲーム依存症に特化した専門外来を設けている医療機関も増えてきています。まずはお住まいの地域で依存症の診療を行っている医療機関を探してみるとよいでしょう。

久里浜医療センター(国立病院機構)のウェブサイトでは、全国のゲーム障害・ネット依存の治療を行っている医療機関のリストが公開されており、受診先を探す際の参考になります。お住まいの地域の精神保健福祉センターに相談することも、適切な医療機関を見つける手がかりとなるでしょう。

子どもの場合は児童精神科も選択肢

ゲーム依存症の患者は10代の中学生・高校生が多くを占めることが特徴です。お子さまのゲーム依存症が気になる場合は、児童精神科や思春期外来を備えた医療機関の受診も選択肢に入ります。発達障害(ADHD、ASDなど)の合併が疑われる場合は、発達障害の診療にも対応している医療機関を選ぶことで、より包括的な評価と治療を受けることが可能です。

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ゲーム依存症の治療の流れ

ゲーム依存症で病院を受診した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

問診と心理検査による評価

まず、医師による問診が行われ、ゲームの使用状況(プレイ時間、頻度、種類)、生活への影響、合併する精神疾患の有無、家族関係、学校・仕事の状況などが総合的に評価されます。必要に応じて心理検査が実施され、発達障害やうつ病などの合併疾患の有無を確認する場合もあります。

認知行動療法を中心とした治療

ゲーム依存症の治療では、認知行動療法が中心的な役割を果たします。ゲームに対する考え方の偏り(「ゲームがないと生きていけない」「現実は退屈でつまらない」など)に気づき、現実的でバランスの取れた考え方に修正していくアプローチです。

また、ゲーム以外の活動に楽しみを見出す練習や、生活リズムの再建、時間管理スキルの習得なども治療の一環として行われます。グループ療法として、同じ悩みを持つ方々と一緒にプログラムに取り組む形式を採用している医療機関もあり、孤立感の軽減や仲間意識の醸成に役立つとされています。

家族への支援

ゲーム依存症の治療では、本人だけでなく家族への支援も重要な要素です。家族がゲーム依存症についての正しい知識を持ち、本人への効果的な関わり方を学ぶことで、治療効果が高まるとされています。家族教室やCRAFT(Community Reinforcement and Family Training)と呼ばれるプログラムを実施している医療機関もあります。

治療の目標は、必ずしもゲームを完全にやめることではなく、「ゲームと適切な距離を保ちながら、日常生活を送れるようになること」である場合が多い点も理解しておくとよいでしょう。現代社会においてインターネットやデジタル機器を完全に排除することは現実的ではないため、適切に使いこなす力を身につけることが目標となります。

まとめ

ゲーム依存症は、WHOがICD-11で正式に認めた治療を要する精神疾患であり、単なる「遊びすぎ」とは異なります。ゲームのプレイが制御できない、日常生活に明らかな支障が出ている、学校や仕事に行けなくなっている、ゲームを制限すると暴言や暴力が出るといった状態が見られる場合は、ゲーム依存症で病院に行くべきタイミングが来ているかもしれません。

受診先としては精神科・心療内科が基本であり、ゲーム依存の専門外来を設けている医療機関も増えています。本人に病識がない場合は、まずご家族だけでも専門家に相談することから始めてみてください。適切な治療とサポートを受けることで、ゲームに支配された生活から抜け出し、本来のいきいきとした日常を取り戻せる可能性があります。お悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは心療内科や精神科にご相談ください。

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